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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『困難な情況で滞日の外国人にも目を向けて』

マリアの宣教者フランシスコ修道会 岡野真弓



 先日、牛久(茨城県)の外国人収容所についてお話を聞く機会がありました。いろいろな理由で、ビザなしで日本に滞在している外国人の方が、700人くらい収容されているそうです。私も6年間、日本を離れて生活しているのだから、外国での言葉の不自由さと文化や考え方が違う中で、苦労しておられる人々のことを、以前よりは自分に近いものとして感じられるのではないかと思い、参加しました。
 私はパキスタンへ派遣されて5年になります。1999年に着き、1年間ウルドゥ一語を学び、2000年より修道会経営の病院で、医師として働き出しました。私も2年ごとにビザを更新することが義務づけられています。ビザの更新許可がなかなか貰えず、苦労している人もいます。そのときの国と国の関係いかんで、ビザを許可したりしなかったりするらしいのです。ビザが出るまでは、警察に定期的に出頭し、その上、いつ何時、退去命令が出るかと落ち着きません。更新ビザがとうとう出ず、パキスタンを離れた宣教者もいます。
 あるとき、私は仕事上の必要から、近くにある国立病院で「短期研修」をしたらと声をかけてくれる人がいました。担当教授は受け入れてくれましたが、大学は私が学生ビザも就労ビザも持っていないことを理由に、受け入れませんでした。その理由は当然のことだと思うものの、自分が外国人であることを改めて思い知らされたのです。
 また、医師登録でも現地人の医師とは「区別」があります。外国人医師は毎年更新が義務づけられ、更新料も大変高い。その上、修道会の病院以外では医療行為を行なえません。その登録が昨年9月に切れたため、更新のための書類を提出しましたが、1年近く経った今も返事がありません。以前は登録されていたが今回は更新しないということもありえるようです。
 我々外国人は弱者です。滞在国の政府や権威者の決定に異論は唱えることができたとしても、力はとても弱いのです。それでも私には、もし滞在ビザが更新されなければ帰る国があります。医師登録ができなくても、住んで働くところもあります。外国人として多少悔しい思いはしても、共に志を同じくして支え合う姉妹がいます。いま、日本に滞在している外国人にほ、帰る国がない人々、住むところ、働くところを奪われた人々、よりどころである家族と離されてしまった人々などが多くいらっしゃると聞きました。私の経験からはとても想像できないような苦しみのなかにおられます。日本から海外に出て行くだけでなく、同時に日本の中の外国人にも、より一層、目を向けていくときが来ているのだと改めて思いました。






『第13回運営委員会議事録』

日時:2004年6月17日(木)18:00〜20:30
場所:四谷SJハウス会議室
議事
I.新運営委員紹介
 6月1日付で新たに運営員に就任した波多野光雄氏の紹介があった。波多野氏は徳田教会所属で、同教会のブラジル・マリンガ里親運動を通じて海外宣教支援の活動歴は20数年に及んでいる。
II.2003年度活動・会計報告の審議
 事務局の八幡さんから資料により2003年度の活動報告が行われた。
@広報活動:年4回発行の『きずな』は、一般会員のみならず、宣教者からも大切にされている。民族的、社会的に全く異なった環境で緊張して活動している中で、この『きずな』が大きな慰めと励みになっているとの声もある。一方で国内の会員からは振込用紙の通信欄を通じて、広報の成果を感じることができる。また、講演会などを希望する声も聞かれる。スタートして1年10か月を経過したホームページも多数の人々に読まれており、そのお陰で国内外の思いがけないところから連絡を受けることがある。カトリック関係以外からも、またNHKなどマスコミからもこのHPを通じて照会を受けている。
A援助活動:援助先はカンボジア、インドネシア、フィリピン、ブラジル、ボリビア、ペルー、ブルキナファソ、コートジボアール、チャド、マダガスカル、カメルーン、ハイチ、など19件に及び、その内容は乳幼児・児童の栄養補給と健康管理、自立のための技術習得費用、書籍・教材・医薬品 購入費、コピー機購入費、女性の更生職業 訓練所への補助、婦人学級新設のためのミシン購入費、診療所の看護師要請費、井戸 掘りの費用など多岐にわたり、合計10,268,761円と予算を多少上回る額を実施した。
B会員数は2,321と少しずっ増えている。個人会員は全国的に広がっており、HPを見て入会したという方もおられる。振込用紙を入れておく効果もある。
C会計報告について:新しく会計担当となった原さんから報告が行われた。援助費が予算を上回ったが、運営経費が予算を60万円以上下回ったので、総額では予算内の支出となった。運営経費で予算を上回ったのは印刷費だけであるが、これは『きずな』送付のための封筒1年間分を印刷したため。

[会計報告]2003.4.1〜2004.3.31
収入
会費・寄付金13,403,660
基金より500,000
預金利子・雑収入9,183
前年度余剰金1,751,545
合計15,664,388

支出
援助費10,268,761
運営経費4,518,744
次年度876,883
合計15,664,388

III.2004年度活動計画・予算の審議
@活動計画:広報活動としてはこれまで通り『きずな』の発行と講演会・勉強会の開催を中心とする。勉強会についてはすでに6月29日に、一時帰国中のSr.佐野(アルジェリア)とSr.田中(カメルーン)にお願いしている。秋(11月頃)にも講演会を計画している。
A援助活動:これまでと同様の予算規模で、現地からの要請に基づき検討し実施する。
Bその他:すでに6月6日に東京・目黒教会のバザーに参加し、ボランティアの皆様の努力でPRを兼ねて、45,310円の献金を集めることができた。恒例となっている東京・成城教会のバザーの参加は10月最終日曜日。その他、PRのためのパンフレット配布などを行う。

IV.きずな87号について
@今号はいい写真がなくて残念だった。原稿が20ページにするには少なく、16ページで収めるために見送ったりカットした原稿があった。会の案内も割愛したが、この案内は必ずいれるようにしたいと担当者から報告があった。
A座談会の記事はバランスよくまとめられており、編集者の苦労が伺える。

V.きずな88号について
@巻頭言については、一時帰国中のシスターに書いてもらうことにし、そのアレンジはシスター斉藤にお願いする。
Aこれからはホームページと同じように、『きずな』にも事務所来訪者のコーナーを設けたい。(諏訪)
B原稿の締め切りは8月10日、発行は9月1日、発送作業は9月8日(水)の予定。

V.援助審議
(1)カメルーンのSr.佐藤浩子(援助マリア修道会)からの要請:診療所の給水施設の悪化に対応するため飲み水用井戸の掘削費用150万円について、前回、前年度予算から50万円を援助しており、その継続として残りの100万円を承認。
(2)ボリビアの倉橋神父(サレジオ修道会)からの援助申請:@サンタ・クルス市サンファン移住地の日本信徒に対する司牧費(ガソリン代)450ドルを承認。A日本人司祭のいないブエノス・アイレス周辺日本人コロニアを訪問するための旅費・宿泊費について、867ドルを承認。
(3)ボリビアのSr.斉藤クニ子(礼拝会)からの援助申請:@サンタ・クルス市の母子寮60名への養育費、学費等について7,200ドルを承認。A当会からの奨学金で大学を卒業した学生のスペイン留学に関わる経費の申請については、留学というより信徒宣教者としての渡航と解されるので保留となった。
(4)インドネシアの浜谷美佐美(聖母カテキスタ会)さんからの援助申請:メダン教区マルトープン村の特別学級「愛の園」の新入児童についての衣類、学園費、通学費など6,834ドルを承認。
(5)インドネシアのSr.井上千寿子(聖心会)からの援助申請:前回ボランティア活動のための事務所確保に必要な資金の援助申請があったが、見送りとなった。今回もこのボランティア活動を支援するためのものであ るが、シスターがこのリーダーたちの育成を大切と判断されていることからオフィス備品代として443,000円を承認することとなった。
(6)ボリビアのSr.山口多香子(サレジアン・シスターズ)からの援助申請:@日系人訪問活動のための交通費とガソリン代として4,000ドルを承認。A日系人1名の日本留学に関わる費用531,000円の援助であるが、留学先が星美学園であること から、全額は無理と考え15万円を承認。
(7)フィリピンのSr.松田翠(御受難修道女会)からの援助申請:これまで使用していた井戸水の汚染がひどく、新しい井戸の掘削が必要となり、そのための援助額3,500ドルを承認。
(8)カメルーンのSr.田中一栄(シャルトルの聖パウロ修道女会)からの援助申請:@修道会が運営している学園の生徒の授業料と食費として20万円を承認。A同じく生徒の医療費のため、および医療費を払えない貧しい人々のための20万円を承認。
(9)プルキナ・ファソのSr.黒田小夜子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)からの援助申請:小型トラック購入のための積立金本年度分80万円は保留。

VIIl.その他
(1)当会の経理内容の適正さを確保するために監査役を選任することになり、今年度から運営委員の長井甫さんにお願いすることにした。
(2)当会の広告を「カトリック教会情報ハンドブック」の2005年度版に2分の1ページサイズで出すことした。
(3)次回の運営委員会は9月15日(水)に開催することになった。