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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『神はわたしたちに世界に奉仕する宣教者を与えてくださった』

マリアの宣教者フランシスコ修道会 斉藤ハツヱ
 六月の末、私はローマで開かれた私共の修道会の研修会に出席するため、一カ月ほど日本を離れた。集まったシスターの数は一〇〇名ほどで、国籍は五〇ヵ国を越えていた。
 自分の国の宣教状態、経済問題、食糧問題等々、活発なグループ会議が開かれたが、もっとも彼女達が力と愛をこめて知らせてくれたのは、自分の国に派遣されたシスター方のことであった、彼女たちは、日本のように、シスター○○とは呼ばず、「みち子」「みどり」と、親愛の情をこめて呼び捨てにする。その時の彼女達の表情をみると、いかにお互いが愛し合い、信頼し、助け合っているかを知ることが出来、「宣教の中心、それはお互いに兄弟のように生きること」という本会の創立者の言葉を思い出し、深い喜びに満たされた。どの宣教者も、それぞれ、独自の文化、気質、豊かさと貧しさをもってミッション地に出発しますが、五年に一回の休暇で日本に帰って来る時、派遣された宣教地の人になっていることに気づきます。
 今年も、私たちの修道会だけでも、フィリピン、パラグアイ、イスラエル、ブラジル、アンゴラ、モロッコ、アルジェリアと帰国し、あと続いて、マダカスカル、ガーナからの到着を待っている状態で、本部は活気に満ちると同時に豊かな国際性にあふれる。彼女達は、帰国後、一番先に、その元気な姿を両親に見せるために家路に急ぎ、次に修道会の姉妹方に現地報告とわかち合いのために、北は北海道のから南は沖縄まで回り歩き、それが終ると黙想会に参加して、神との深い交わりに数週間を過す。やがてミッション地への出発の日が近づき、心はすでに彼の地にとんでいるように、熱心に出発の準備にとりかかる。この時の彼女達の姿は、神のみ国の建設に自分の生涯をかけた者だけが持つ、すがすがしさと清らかさに輝くように見える。
 この一連の事柄の中に「神は私達に、世界に奉仕する宣教者を、与えて下さった…」という思いに満たされる。
 「海外宣教者を支援する会」は、小さな力を出し合って、宣教者を支えるために働いている。ある者は「きずな」を編集し、ある者は宣教者に励ましの手紙を、ある者は荷物の発送に拝し、ある者は祈り…一人一人が、その置かれた所で、宣教者となるために…」。






『第二十一回役員会報告』

 第二十一回役員会が、昭和六十二年七月九日(金)午後六時から中央協議会々議室で開かれ、次の案件について審議、決定した。
  • 六十一年度事業報告(了承)
  • 六十一年度決算報告(承認)
  • 六十二年度予算審議(承認)
  • 六十二年度事業計画審議(承認)
  • 講演会の反省=六月二十六日、双葉同窓会館で帰国中の宣教者の体験報告を聞く講演会を開いたが、事前PRの方法、講師人数の点などで考慮すべき点が多かった。今後、地域の小教区等と連絡を密にして、少人数で宣教者の話を聞く会などを開いたらどうかとの提案があり、今後、検討して実行することになった。
  • 役員人事=Sr高橋典子(宣教を考える会)が多忙のため、辞意を表明され、承認。
  • 広報=「きずな」19号は国別にまとまり、地図も大きく分りやすかった。「きずな」20号は九月一日発行予定。巻頭言はSr斉藤ハツヱに。今後は写真も増やし、ページ数も増ページとし、「きずな」が、より大きな役割を果すよう充実していくことを確認した。
  • 援助について=(別稿)
  • その他=今後活動をより活発化するため、男子役員の推薦を各役員に要請。






『一九八六年度事業報告』

@広報=「きずな」四回発行(発行月6月、9月、12月、3月)
A役員会=3回開催(開催日7月22日、10月24日、12月19日)
B講演会=1回・(10月14日)講師―青木神父(ブラジルより)、野下神父(長崎教区・ブラジル視察より帰国)、Sr金永(パラグアイより)、Sr田中(ブラジルより)、Sr平尾(ペルーより)
C援助(援助金・援助品)○聖書、その他(ブラジル)○中古衣料送付(15個)(ブラジル)○中古衣料送付(8個)(フィリピン)○宣教者派遣費、文書発送費(ブラジル)O「今日を生きる」「太陽のほほえみテープ代(ボリビア)○パンこね機(ペルー)〇二世宣教師の日本語学校学費(ブラジル)○信徒宣教者育成資金(日本)○聖堂改修及備品(フィリピン)○コピー機購入代(パラグアイ)○保育園、小中学校運動具購入(コロンビア)○細菌検査用顕微鏡及び部品(ボリビア)○貧困児童の給食費(ボリビア)○栄養指導施設の設備代(マダガスカル)○布教用自動車購入資金の一部(シエラレオーネ)
D活動による援助=クリスマスカードを会員有志で分担して、海外で働く宣教者全員に送付、○フィリピンの人の手作りの衣服、テーブルクロス、タオル等を教会バザーや売店で販売○中古衣類の分類整理と発送
E会員数(昭和62年3月31日現在)=法人会負九七二個人会員二九三賛助会員九五計一三六〇名
昭和62年度の事業内容は以上のとおりです。






『海外宣教者を支援する会1986年度決算報告』

収入37,174,933円
支出18,246,877円
次年度繰越18,928,056円

 1987年度予算
収入31.528,056円
支出
援助費10,000.000円
研修費500,000円
運営費2,650,000円
援助基金積立2、000.000円
次年度繰越16,378,056円






『援助内容』

 (1987.7.9理事会決定分)
援助地援助対象者援助内容援助額備考
ブラジル山本伊佐男神父日本語学習のための費用500.000円1年分
アルゼンチンSr清水渓子ローマ字ミサ典書、新約聖書及び送料29・700円
アメリカ西津神父典礼聖歌集、要理の本(大人・供用)と送料13,000円
ベレン(ブラジル)松本稔カトリック聖歌集、キリストと我らのミサ及び送料37,100円
アルジェリアSr中村(マリアの宣教者フランシスコ修道会)編物機械1台、教材110・000円
バンクーバー(カナダ)Sr藤沢(アトーメント会)新聖書詳解(新約)と送料20,700円
パラグアイ品田神父布教用自動車購入代の一部100,000円
信徒宣教者の会派遣費の一部1,000,000円
1、810.500円






『講演会〜11人が各地の実情を報告』

 「会」では、六月二十六日(金)午後6時半から、東京・四谷の草葉同窓会館で、帰国中の宣教者の方々からの現地報告を聞く講演会を開催した。
 講師は、アメリカ、カナダを訪問された石神忠真郎司教様をはじめ、Sr中村節子(マリア・宣教者フランシスコ修道女会・アルジェリアから)、Sr根岸美智子(御聖体の宣教クララ修道会・アフリカ・シエラレオーネから)、Sr道下美和子(マリアの御心会・ベニンから)、品田豊神父様(神言会・パラグアイから)、Sr古屋寿子(マリアの宣教者フランシスコ修道女会・ブラジルから)、Sr大西綾子(愛徳カルメル修道女会・ブラジルから)、Sr竹市峰子(カロンデレットの聖ヨゼフ修道会・ペルーから)、Sr石井芳子(天使の聖母宣教女会・ペルーから)。
 講演は、アフリカ・グループ(Sr道下、Sr中村、Sr根岸)と、南米グループ(品田師、Sr古屋、Sr大西、Sr竹市、Sr石井)ごとに宣教地での体険、宣教の上での問題などが、それぞれの宣教者たちから報告され、聴衆に大きな感銘を与えた。
 また、この講演会には、「信徒宣教者の会」から派遣され、二年間、フィリピン・イサベラ州・イラガミ教区などで、農業や、井戸掘り作業に従事して来た、石川裕之さん、吉田隆さんからも、貴重な体験が報告され、参加者たちも熱心に耳を傾けていた。

南米グループ
南米グループ

石神司教
石神司教

アフリカグループ
アフリカグループ

信徒宣教者の会
信徒宣教者の会