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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声


パラグアイからのお便り(休暇中の吊古屋にて)

聖霊奉侍布教修道女会 シスター林 静子
  主の平安
  先日は久し振りに事務局を訪問できて、嬉しく思いました。
  ピラポ聖霊小学校の写真を受け取りましたので、同封いたします。小学校は9年制なので、卒業写真は9年生たちです。
  現地で使っている自動車がもう10年以上経ちましたので、新しい自動車の取得について現地に戻り、具体的に支援をお願いしなければなりません。何卒よろしくお願いします。
  パラグアイの日本の農民たちは、広い耕作面積を持っていますが、大豆、小麦などの収穫物を欧米に輸出しますと、国際相場の非常に安い価格で買い叩かれてしまいます。輸入するコンバイン、トラクター、重油などの価格はインフレで高くなり、働いても、収益は少ないのです。大地主に使われている労働者も同じことで、何年経っても安い給料で、食べるのがやっとという状態です。子供たちを教育させるのも難しいのです。同封の写真を見ますと皆キチンとした制朊を着ておりますので、分かりませんが、現実は火の車です。まあ、農業国ですから、何とか食べる物はありますが。
  ピラポの聖霊小学校は、今年で満30年になりました。7月に創立30周年のお祝いをささやかに行う予定でございます。
  海外宣教者を支援する会の会員の皆様にどうぞよろしく申し上げます。
  とりあえず、近況お知らせまで、聖霊のおんいつくしみによりて。さようなら。
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小学9年生の卒業写真
2009年6月1日


シエラレオネからのお便り(ルンサにて)

御聖体の宣教クララ修道会 シスター根岸 美智子
  愛する後援者の皆様
  いかがお過ごしでいらっしゃいますか?そろそろ日本はつゆが始まるでしょうね。こちらの雨の到来は、私が考えたのとは全く違い、とても遅いです。マンゴももう終わりかと思いましたら、違う種類がどんどん出てきて、雨が少ないのでマンゴは豊富でマンゴジュースやマンゴジェリー、それにお魚やパームオイル・マギを入れて煮るマンゴも頂きました。これは初めてです。おいものようです。けっこう美味しいです。マンゴ、マンゴの毎日です。夜などその実がトタン屋根に大きな音をたてて落ちますので、思わずびっくり飛び起きたりします。朝になるとマンゴのカーペットのようですが、それより早く子供たちが来て、きれいに持ち去って行きます。どこにもマンゴがありますので、マーケットなどでは100円出せば30個も買えます。日本の皆様に上げたいなあと思うばかりです。困るのは雨が少ないので、水上足は深刻です。8mの井戸は皆かわいてしまいます。OLG中学の井戸も涸れてしまいました。
  小学校もやっと間に合わせたいのですが、中学の寮生が毎朝バケツに水を汲んでしまいますと、足りなくなってしまい、困っています。深い井戸を作りたいですが、けっこう費用がかかりますので、ただ雨よ降って下さいと、うらめしく天を見上げるばかりです。どうぞ皆様お祈りくださいませ。修道院も水の制限をしています。
  昨日は悲しいことがありました。自動車事故で知っている方が3人も亡くなりました。マケニ・フリータウンはおかげさまで道路が素敵になりました。とても嬉しいことですが、自動車のスピード制限をほとんどしませんので、事故はとても多くなりました。
  昨日も主任司祭のフランシス神父の弟さん、親戚の方など6人が事故に巻き込まれ、そのうちの4人が即死でした。また戦争の時、私をピータ修道士と替わり番におんぶしてくれたモハメッドがオートバイに乗っていて、タクシーにはねられ即死、まさにショックの一日でした。これらの原因はすべてオーバースピードにあります。いろいろ文明が入ってくるのは嬉しいですが、それにおいつけない人々は悲しい事故が絶えません。
  ルンサの町では、タクシーなど持てない人が、オートバイを買い、それを商売道具としてタクシーと同様に1回いくらでお客様を乗せます。それも免許さえ持っていない若者たちで、すごいスピードで2人位乗せて、走り回るので、まさにはらはらの毎日です。せめて学校区域ではスピード・ダウンするようにと交番に言いましたが、一向に変化がありません。交通事故死がそのうち一番多くなるのでは、と懸念しています。お祈りくださいませ。
  校舎の建築は順調に進んでいます。雨が来る前に屋根をひけますようにとお願いしております。ところが肝心のトイレがまだないのです。これにはなんと250万位かかるそうです。しかたないので日本大使館に支援を申請しています。承認されますようにお祈りくださいませ。
  これからセンターの3年生は国家試験が始まります。皆様のご支援でこの試験を全員受けることができます。本当にありがとうございました。 生徒たち皆がんばっております。どうぞ全員合格出来ますようにお祈りくださいませ。 お陰様でシエラレオネはとても平和です。何も心配ありません。しかし世界のリストで見ますと、いまだに最後におります。一人一人の自覚と努力がなければ進歩はむずかしいでしょう。日頃のご支援に感謝しつつ、これからもどうぞよろしく。
2009年6月4日



カンボジアからのお便り(コンポンルアンにて)

信徒宣教会(JLMM) 高橋 真也
  ☆ 『母子保健プログラム』、始動!
  活動を通して多くの『死』に立ち会っていく中で、特につらいのが赤ちゃんの死です。水上村の死亡原因で多いのが上衛生な環境から赤ちゃんが下痢を起こし、脱水症状を起こして死んでしまうこと、デング熱、湖に落ちての溺死です。水上村の乳幼児は、出産時の衛生環境の悪さ、親の子育てに対する知識の欠如、迷信、医療サービスへのアクセスの悪さ等々、様々な要因が絡み合い、命の危険にさらされています。そんな状況を受けて、新しく『母子保健プログラム』を始めました。
  このプログラムは、産婦人科の先生を雇い、土日の週2回、午前9時から11時までの間、識字教室横の図書室を利用して、妊婦さんや乳幼児達の健康診断を行うというものです。村の中心に常に位置している教会の識字教室ですので、住民にとって便利ですし、無料で診断を受けることが出来ます。また、カンボジア語を通訳してくれる人も回りにたくさんいますので、ベトナム人でも安心して来れます。
  また健康チェックだけでなく、難産やHIVの母子感染が懸念される場合は、都市の病院に搬送する手続きを行いますし、定期的に予防接種も実施します。ゆくゆくは正しい出産、子育て、避妊、薬の朊用の仕方などについてのワークショップを行うことが出来たら良いなと考えています。
  6月6日、母子保健プログラムの初日でした。当日は7人の妊婦さんと、1人の新生児、そして何故か肩こりと頭痛のひどい80歳を過ぎたおばあちゃんが1人と、予想以上の人が来て下さいました。
  このプログラム、始まったばかりでまだまだ手探りの状態です。水上村の住民たちに必要とされているものなのかどうかは、これからプログラムを続けていかなければ分からないことです。ですから当面の目標は、『続けいくこと』です。応援、お祈りのほどよろしくお願いします!
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  妊婦さんを診察するチェンダー先生   診察を待つ妊婦さんや赤ちゃん達
2009年6月11日



ボリビアからのお便り(サンファンにて)

サレジアン・シスターズ シスター小濱 静子
  主の平安
  イエズスのみ心の月となりました。今月、教皇ベネディクト16世は、“司祭年”を宣言され、教会の中心の刷新を願っておられるようです。私たちも身の引き締まる思いです。
  海外宣教者を支援する会の皆様、いつも私共のミッションに心を留めて下さり、ご支援有り難うございます。
  今回は私のミッションの一部をCDに紊めましたので、送らせていただきます。原稿を書き搊じ、時が過ぎましたので、簡単に添え書きをするのみにいたしたいと思います。
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サンファンにおける枝の主日の信徒の姿です。シュロの枝を掲げて、町の中を行進し、
サンファンの教会に入り、聖水で祝福を受けます。
  コンセプションのカテドラルです。ここを拠点として5百年前、イエズス会員によってチキタン族に対する布教が行われたのです。その布教の跡が残っています。イエズス会員の追放など教会の歴史を思い巡らすことができます。サンタクルスの世界遺産として保存されています。ここを訪問された管区長のシスター若松、秘書のシスター・スオル・マリーザも感動されていました。
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  次いで、僻地のヤパカニーの学校と教会を訪問したときの写真です。国道から35km入って、ようやく辿り着きました。村の子供たちの素朴な瞳がキラキラ輝いているのを見ると、疲れが一辺に吹っ飛びました。日本の恩人から頂いた歯ブラシや鉛筆を配りました。日本製の鉛筆は芯が強く、貴重です。
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  6月は、皇室の常陸宮ご夫妻が日本人移住110周年に当たり、ペルー、ボリビアの両国政府から招待され、公式訪問をされます。ペルーで記念式典に出席し、ボリビアでは移住資料館を訪問し、移住者と懇談される予定です。サンファン移住地の中心にカトリック教会が建っており、建築以来ペンキが汚れているので、教会の外装を塗り替え、今では鮮やかになっています。教会の塔は、教会の建築を請け負ったキロガさんが記念に寄付として建てたものですが、ペンキの塗り替えも並大抵ではなかったようです。常陸宮ご夫妻のご訪問の写真と記事は次の機会に送ります。
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2009年6月14日



フィリッピンからのお便り(ゴサにて)

善きサマリア人修道会 シスター迎 衛子
  恩人、友人の皆様へ
“♪善きサマリア人幼稚園~♪”(これは姉妹園である日本の幼稚園と同じメロディーです)と元気に園歌を歌って、3月に59吊の子供たちが卒園し、また新しい60吊を迎えて6年目が始まりました。
  世界的な上況の中で、ここも同じく、仕事がないことに加えて、物価の値上がりがひどく、毎日の生活がより大変になっています。また、この幼稚園も例外ではなく、費用を少し高くせざるを得ませんでした。払える人は少しでも払うようにと励ましています。ある人々は1週間ごとに少しずつ、また、ある人は卒業してから払いにきて、私たちは感動しました。自分は払うことができる、というのは本人にとってうれしいことです。
  幼稚園のクリニックも2年目の2008年度は、毎月の健康チェックなども進歩し、給食プログラムは充実したものとなっています。アロス・カルド(チキン入りのおかゆ)や、この地方特有の餅菓子のおやっなどをとり入れ、栄養的にも嗜好の面でも喜ばれています。
  残念だったことは、昨年また、一人の園児、マヌエルが亡くなったことです。入園する前から病気(先天性の悪性貧血)で、長くは生きられないだろうが、短期間でも園での生活を体験したいという本人の願いで受け入れました。お腹か脹れた状態で、いすに座るのも大変でしたが、子供たちといっしょに歌うことや、できる範囲での活動を共にすることを喜んでいました。6月に入園し、7月の末に具合が悪くなり、子供たちにさよならを言いに来て入院しました。マヌエルの弟ハリー(3才)も肺炎のため続いて入院しましたが、その夜亡くなり、さらにマヌエルも翌日亡くなりました。2人の死を聞いた時は信じられない思いでした。教会でのお葬式、墓地へも皆で行きましたが、小さい2つのお棺を見て、涙が出ました。子供たちの命がこんなにも簡単に失われてしまう現実を見ると、自分たちの無力さを感じさせられます。
  マンブロック・ブルヴァードでのフローレス・デ・マーヨ(教会の行事で5月に行われる)は、今年もたくさんの子供たちが参加しました。7人の高校生がセミナーを受けて、そのクラスを担当したのもうれしいことでした。
  昨年度は体験学習としてのグループはありませんでしたが、個人として日本やオーストラリアから、2週間、または1週間滞在し、幼稚園を手伝ってくださった方々があり、子供たちにとっても、私たち共同体にとってもうれしいことでした。なお、園長のシスター・.レオニーは、オーストラリアでの教育関係の体験学習のためこの2月から約11ヶ月、留守にしています。この間は、ミス・マリテスがKinder 1 のクラスを教えると共に、園長代行を勤めています。 彼女はこの幼稚園の創立当初から私たちといっしょに関わってきた人なので、方針もすべて良く理解していて、卒園式、入園式その他の行事を含め、良くやってくれています。
  コンセプションにある幼稚園は、教会の敷地内にある、小さな1つの教室だけのものでしたが、皆様のご援助でもう1つの教室ができ、人々はとても喜んでいます。2人の先生がボランティアのつもりで、献身的に働いています。
  今年の卒業式には2006年度と同じように、元奨学生(現在公立小学校で教えています)のミス・.ヘルミヘルダがお祝いのスピーチをしました。これは現在の奨学生にとって大きな励みになりました。高校の卒業式でも多くの奨学生が良い成績で(数人はトップテンに入っています)卒業しました。また、このプログラムで、卒業生がパートタイムではなく、定職に就けたら、このスカラシップ基金に寄付をするという約束がありますが、すでに5人の人が寄付をしたと聞いた時は、彼らの寛大さに本当に感動しました。そのほとんどは学校の先生になった人たちです。コーディネーターたちが、献身的にこのプログラムにコミットしていることには感謝しています。
  ハイツ・シティの1人の奨学生が、大学を卒業しましたが、数千人の中の数人という優等賞をもらいました。彼女は勤労学生として、働きながらでしたから、学校側でもこれは初めて、ということで賞賛されました。もうひとつのヘンリエッタ教区では、新しく変わった司祭とコーディネーターの下で始まりましたが、司祭が病気で異動、またコーディネーターも変わり、再び新しくスタートしようとしています。私たちはサポートしますが、自分たちのプログラムとして、進めていけるようになってほしいと願っています。
  いつもの皆様のご援助、お祈りに心から感謝しています。
2009年6月19日