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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声

ブラジルからのお便り(パラナ州にて)

長崎純心聖母会 シスター 堂園 みつ子
大切なものはシンプル
− 長崎純心聖母会ブラジルで25年 −


 2006年新しい年が始まりました。いつもお世話様になっております。今年もよろしくお願い申し上げます。お陰様で昨年、私達はブラジル宣教25周年を迎えることができました。
 25年前(1980年10月)に佐々木神父様・故マルゴット神父様の要請をうけて、私達6名(脚注)の純心聖母会会員がブラジルバラナ州のサン・ジエロニモとアモレイラでご奉仕を始めました。日系・ブラジル人のシスターも加わり、また、新しくクリチバの事業も増えました。これも一重に神様のお恵みと導き、日本及びブラジルの多くの恩人方のお祈りとご援助の賜物と心より感謝致しております。
 25周年を記念してクリチバ、サン・ジエロニモ、アモレイラとそれぞれの町でそれぞれの持ち味でミサが捧げられました。これまでの25年間の感謝とこれからの25年の希望を持って……。
 しめくくりに総長・副総長と共に研修会を行い、これまでの25年、これからの25年について祈り、分かち合いました。そのときに浮かんできたのが「大切なものはシンプル」という言葉でした。大切な神様のみ旨を行うこと、聖母マリアにならって……とてもシンプルです。でも簡単じゃない。だから祈れなければ……。
 私達の社会は複雑です。シンプルな事を超複雑にしています。私達の心も体も複雑です。このことが物事を簡単に見ることを難しくしています。もしこれだという絶対的確信があれば迷うことはないし、苦しむこともありません。しかし、残念ながらあれもこれも大切に思えて、迷い悩んでいます。言語、文化、習慣の違いはすばらしいものですが、大きな十字架になることもあります。神様が招いてくださったという信頼がなければ、環境の違いを受け入れるのは苦しみになります。多くの宣教師の方がそうであったように私達も人並みに苦しみ、戦ってきました。と同時に貴重な体験によって神様と人への奉仕にますます励むことも出来ました。一人ひとりが役割をもって灯をともしていたら、複雑な社会の中でも本物が見えてきそうです。
 私達最初の6名のテーマソングは「森の水車」でした。コトコトコットン コトコトコットン森の水車は回り続けます。雨の日も風の日も、日々のたゆまない繰り返しが25年、50年、100年とつながっていきます。これからも神様と人々に信頼して歩み続けたいと思います。  どうぞよろしくお願い致します。

最初の6名のテーマソング「森の水車」を歌うシスターたち。口が開いていないは、シスター浜元が独唱で「コトコトコットン」を歌っているからでしょう。

最初の6名のテーマソング「森の水車」を歌うシスターたち。口が開いていないは、シスター浜元が独唱で「コトコトコットン」を歌っているからでしょう。



脚注:6名はシスター高平、田中、谷口、堂園、浜元、松永です。
2006年01月初頭




ソロモンからのお便り(テテレにて)

サレジオ修道会司祭 飯田 徹 神父
 海外宣教者を支援する会の皆様へ

 + 主の平和と善
 新年明けましておめでとうございます。
 日本の皆様方にとって良い年でありますように、また今年こそソロモンの人々がより良い未来を築く事が出来る年でありますように。
 既にお知らせしましたように、1998年の民族紛争は、ガダルカナル島内におけるガダルカナル島人対マライタ島人の争いで、他の島々には直接大きな影響は無かったのですが、政治経済流通機構の集中していたガダルカナル島は大きなダメージを受け、そのためにソロモン諸島国全体が停滞してしまいました。しかし昨年までに漸く混乱は収拾し、諸外国の援助頼りですが、再建が始まっています。日本政府も漸く本格的に援助に乗り出し、現在流通の要となるガダルカナル島内のメインロードの改修を行っています。オイルパーム・プランテーション(油椰子の栽培・精油)の再建も本格化し、椰子の美林も復活しつつあります。反面ゴールドリッジ・マイニング(オーストラリアの資本による金採掘・精錬)は再建を決定していますが、本格化していません。ガダルカナル島の二大輸出産業の一つなので、早く再生産が始まりますよう、皆様方のお祈りによる応援をお願い致します。
 現在ソロモンは雨季で、良い天気で暑いなと思っていると、一転にわかに掻き曇り、土砂降り雨となり、気温は下がり、過ごし易くなりますが、教会の庭に水溜りが出来ると、カンカン照りと成り、ものすごい蒸し暑さと成ります。これが二日周期くらいで繰り返されています。ソロモンの雨季について観察していたら、太陽がソロモンの上を通り過ぎ、ソロモンよりも南側に在る期間(ソロモンは南緯10度位に在り、それから南回帰線:23.5までを往復する期間)度と雨季が重なっていました。雨期は太陽のプレゼントのようです。この時期、雑草にとっては太陽と雨に恵まれるので、驚くほど成長が早く、草刈が追いつきません。イネ科の雑草は特に生命力が強く、ただ草を刈っただけでは切り株からすぐに生えてくるので、株から刈る、即ち地面を削るように根っこから刈らなければ成らず、大変です。教会の敷地内はきれいに刈っても、周辺から種が飛んできて、一年経つと元通りに雑草だらけになります。本当に雑草を輸出できたなら、ソロモンの経済は潤うのにと、ため息をつく時期が、雨季でもあります。

2006年01月02日




カメルーンからのお便り(バトゥリにて)

シャルトル聖パウロ女子修道会 シスター末吉 美津子
† 主と共に働く我らは、主と共に、その実りを味わう。
 皆様からのお手紙有り難うございました。お手紙を拝読しながら、つくづく主のめぐみが私の上に注がれているのを実感し、感謝の謝祷をおささげいたしました。主のみ栄えのために、貧しい国で働きたいとの望みが、修道会を通して私に与えられたことは、主のみ旨と思っています。ピグミ族のために11年間働き、毎日が涙と喜びで過ぎていっています。どのように口で表現していいのかわかりませんが、毎日がたたかいです。今私は、ピグミの子供たち(寄宿生)のために働いていますが、中々大変です。
 今年は32名が入学手続きに来ました。そのうち7名が1学期の間に森へ戻り、そして、1月6日から始まった2学期の3週間後には、4名の子供たちが何の理由もなく森へ戻っていきました。
 森の中で生まれ、育ち、自然界の流れに自由に何の束縛もなく生きてきたこの子供たちは、やはり自然の中へと戻っていきます。学校生活を強制させるわけにはいきません。教育の大事さを百も承知していますが、人格を尊重してあげたいので、彼らの意に反することは避けるべきと判断し、自由に森に戻らせています。もちろん、森へ戻る前にいろいろ理由を述べて、寄宿舎に残るように助言しますが、無駄です。自分たちのあこがれの森へ戻っていくのです。彼らにとっては森が一番の幸せの場のようです。
 昨年は私にとって2つの悲しみがありました。9月に4年生になる子供が8月末から病気にかかり、9月末に他界、そして1学期間、5年生として過ごした男の子のほっぺたに突然、出来物があらわれ、みるみるうちに腫れ上がり、12月19日に他界しました。二人とも頭の良い、大人しくて、懸命にものごとに取り組む子供たちだっただけに、悲しみも多かったのです。5年生の子供は、将来のことをすでに考え、「シスター、ぼく家を建てたいんだけど、ここにあるトタンをぼくに下さい。5年生の終わりの休み中(3ヶ月)に家を建てるので!」と話していました。私が「基礎工事もできていないのに、どうするの」と聞くと、ご復活の休みに少しずつ土地を準備すると答えていました。夢の夢になりましたが。残っている子供たちのために、今は精一杯働いています。
 こちらはまだ電気がありません。発電機が壊れて、1年間水なし、電気なしの生活が続いています。幸いピグミの子供たちが修道院のために水くみをしてくれていますので、助かっています。すべて感謝です。
 この辺でペンをおかせていただきますが、いつも「きずな」をお送りいただきまして、有り難うございます。手にすると同時に一気にすべてのページを読み終えます。宣教者の方々の苦労、喜びがひしひしと伝わってきます。主の愛に満ちあふれているのを感じます。
日本からのプレゼントを喜ぶ子どもたち

東京九段の白百合学園の生徒さんが送ってくれた素敵なメモ手帳を手に喜んでいる公立小学校の子供たち。また別の方からいただいた歯ブラシを手にして、喜んでいるのは小学1・2・3・4年生の子供たちです。皆様の善意が子供たちの心に喜びと平和を注いでくれました。
2006年01月19日