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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『福音宣教・教会の本質的使命』

那覇教区司教 押川 壽夫



 欧米諸国が、極東の国々、特に鎖国の眠りから未だ覚めやらぬ日本との通商を求めて、貿易に必要な販路を開くための「日本への入り口」として、注目したのが琉球王国でした。
 琉球王国は、また、近世におけるカトリック教会福音宣教史の中でも極めて重要な役割を果たす位置にありました。ローマ教皇庁は、海外布教を精力的に推し進めて、特に日本への布教再開をパリ外国宣教会の宣教師たちに委ねました。そして、鎖国日本への再宣教を試みたローマ教皇庁は、琉球へ宣教師を送り続けました。その最初の一人がフォルカード神父で、彼を禁教令下にある日本の最初の司教に任命しました。1846年のことでした。
 フォルカード神父に続いて、18年間で8名の有能な宣教師たち、プチジャン神父(後の司教)をはじめ、パリ外国宣教会の司祭たちが琉球に上陸、滞在して、日本の教会復興の機をうかがっていました。これが今日の日本の教会復活の夜明けでした。
 明治期以来、数多くの宣教師が言語、習慣、考え方の全く異なるわが国に、キリストの福音を携えて上陸し、幾多の困難に耐え、神の民・教会建設のために生涯をささげました。彼らの存在と働きなくして、今日の日本の教会はあり得えませんでした。
 あれから一世紀半が過ぎ、わたしたち日本の教会も海外宣教へ大勢の修道者、信徒の宣教師たちを派遣して、地球のうらおもて・各地で宣教活動を行うようになりました。
 前教皇ヨハネ・パウロ二世は、使徒的書簡『新千年期の初めに』の中で、心にこだまするイエスの言葉として、わたしたち一人びとりに呼びかけました。「沖に漕ぎ出しなさい!」と。第二バチカン公会議は、しばしば”漁(すなど)り”、これこそ教会の本質的な使命であり、その意味ですべての宣教師は教会の本質的使命を体現している、と宣言しています。
 「旅する教会は、その性質上、宣教者である」(教会の宣教活動に関する教令2)。全教会は宣教者であり、福音の宣布は神の民の根本的な任務であり、宣教活動に協力する義務を背負っているのです。
 わたしたちキリストの共同体全体は、祈りと協力を通して宣教活動が諸国民の問に繰り広げられるよう、自分の国から送り出された宣教師、あるいは宣教地の人々とつながりを持っことができ、共同体同志の交わりが目に見えるものとなり、互いに感化を及ぼし合って教会の使命を果たすことになると、教会は教えています。教会の本質的使命が福音宣教であるなら、宣教師たちを支援するのも、またわたしたち教会の大切な務めです。
日本カトリック海外宣教者を支援する会に惜しみないご協力寄せてくださっている方々に、こころからの感謝と主の祝福を祈るとともに、皆さんもこの会への支援を通して《あなたがたも宣教者≫の働きに、参加していることを知ってもらいたいと思います。(当会顧問司教)






『第18回運営委員会議事録』


日時:2005年10月7日(金)18:00〜20:00
場所:四谷 SJハウス会議室
議事:
I.きずな92号について
 @ 今号は16ページを予定して編集をしたが、2004年度の援助費の一覧表が入らなくなり、最終ページに掲載した。当初から20ページ分でゆったりとした紙面にすればよかったと担当者から報告があった。
 A 援助費の一覧表を掲載したのはよかったという感想があった。
 B 文字の誤りが2か所あったと指摘された。
II.きずな93号について
 @ 巻頭言は当会の顧問司教を引き受けてくださった押川壽夫司教様にお願いする。
 A12月1日発行なので、会からののクリスマスメッセージを載せる。
 B 原稿締切りは11月10日、発行は12月1日、発送作業は12月7日(水)の予定。
III.援助審議
 @ アフリカのチャドのSr.有薗順子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から昨年に続いての申請、「ンジャメナ大司教区のガールスカウト活動のための本部専属アニメ一夕ー(婦女子養成のための)の1年分 の報酬、オートバイの修理費・ガソリン代として175.032円」は、昨年度検討済みの ため援助を決定した。
 A 南米パラグアイ(ピラポ)のSr.林静子(聖霊奉侍布教修道女会)から「ピラポ聖霊小学校で使うファックスとコンピューターの付属品購入費、および7年生から9年生用の教科書代として800ドル(93.600円)」の申請があり、これを承認した。
 B アフリカのコートジボアールのSr.勝一美(クリスト・ロア宣教修道女会)から出されていた「ダブ図書館が9つの小学校へ移動図書館を実施するための車のガソリン代として1.777ドル」の申請の援助を決定した。
 C 南米ボリビアのSr.立石順子(宮崎カリタス修道女会)から、「カリタス学園公立高校の部・情報処理科コースのための器材、備品購入費(パソコン、デジタルビデオカメラ、撮影用の三脚、ワイヤレスマイク)として9.200ドル」の申請があったが、検討の結果,コンピューター5台分として計 上されている3.970ドルの援助を決定し、使途についてはコンピューターだけでなく必要なものを優先してもかまわないと伝えることにした。
 D 南米ブラジル(マリリア)のSr.佐藤和(マリアの宣教者フランシスコ修道会)から、布教用の自動車が盗難にあったため、車の購入費の一部として400.000円の申請があり、援助を決定した。
 E 南米ボリビア(コチャパンパ)の野原昭子さん(福岡教区信徒)から、「障害者受け入れの家『聖マルティン デポーレス』の活動のため中古ライトバン(ガスボンベ付)購入費として10.000ドル」の申請があり、検討の結果、半額の5.000ドルの援助を決定した。
IV.宣教者のお話を聴く会について
 11月23日(祝)13:30〜15:30まで、四谷SJハウスの会議室で、帰国中の宣教者の話を聴く会を開くことになり、案内の簡単なチラシを作ることになった。
V.その他
 @ 事務局は12月27日(火)〜1月5日(木)までお休みとする。
 A 例年のようにクリスマスカードを海外に送ることになり、メッセージを井上さんにお願いした。
 B10月30日の成城教会のバザーに出店して、物品販売のほか広報活動を行なうことになった。
 C 次回の運営委員会12月の第2週に四谷SJハウスで行なう予定。