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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES






『よろこびのうちに再びマダガスカルへ』

マリアの宣教者フランシスコ修道会 遠藤 能子

 佐藤司教様の「海外宣教者は特別の召し出し」を読んで、この任務を与えられたことにあらためて深く感謝している者の一人です.早いもので26年余りの月日が流れました。
 『きずな』を通じて海外からのたよりと、日本からの祈りと支援に支えられ、励まされて今日に至っていることを思うとき、大きな感動を覚えます。
 昨年の9月から1年間のサバティカルをいただき、カナダで有意義な研修を受けてまいりました。自分の歩んできた道を振り返り、これからどのように生きたら神のみ旨に答えることができるのか、立ち止まってじっくり見ることができました。
15年間産院で働かせていただいてから、さらに奥地の診療所に移ってから6年余りになります。今こうして日本で便利で快適な日を送っていると、これまでの生活がいっそうよく見えてきます。 3年前、日本大使のご尽力で太陽の光と熱を利用して、太陽エネルギーによる照明と温湯でのシャワーができるようになったときの、あのありがたいうれしい感激は忘れられません。しかし、山麓地方にある私共の共同体は霧の日が多くて日照時間が短く、私たちの需要を満たしてくれるのは困難です。特に夜間、急患で点滴が必要なときや外傷の縫合手術のときは、ろうそくや懐中電灯の明かりで汗だくになって処置します。
 また、雨が降れば、雨どいから流れる雨水をためて洗濯のために大いに役立てます。雨季にこそ衛生指導に力が注がれます。マラリア、赤痢、コレラで毎年のように死者を出していますので100キロ離れた県庁の病院に患者を搬送するのは危険で不可能に近いのもこの季節です。
 そんなとき、最善を尽くしてあとは主のみ手にゆだねる日々、私たちの想像をはるかに越えてはたらく神のみ業をいくど体験したことか。神に感謝と賛美の日々、これ以上なにを望みましょうか。民間療法にはしって手遅れになってやって来る患者、手術をすすめても財産の牛を売ってまで健康を取り戻そうとしない家族、大きな病院に行くのを拒否して死を待つことを選ぶ人々を前にして、代々受け継がれている伝統や習慣とはいえ,少しずつゆっくり時間をかけてその束縛から解放されるように手伝っていきたいと思います。
 さらに、年々森の伐採で砂漠化が進んで心が痛みます。次の世代に何を残したいのか、地域の人々と連携を保って、できることから始めたいと思っています。
 "主がわたしをお遣わしになったのは貧しい者に良いおとずれを伝え、捕らわれびとに釈放を、盲人に視力の回復を告げ、おさえつけられている者に自由を与え、主の恵みの年を告げ知らせるのである"とルカ4章にあるように、貧しい人々に良いおとずれを伝えることができるよう願っております。 『きずな』によって強められて今の私があることを感謝し、よろこびながら再びマダガスカルへ出発します。





『第九回運営委員会議事録』

日時:2003年6月10日(火) 18:00-20:00
場所:四谷SJハウス
議事
I. 2002年度活動報告と会計報告があり、審議のうえ承認された。
[活動報告] 2002.4.1-2003.3.31
@役員会は例年通り4回開催された。 6月18日 9月10日1 1月19日 3月18日
A広報活動としては、 9月に『チャド情勢の報告会』を開催したこと、 20周年を記念して当会のホームページを開設したことが大きなものであった。
B援助活動は、宣教者からの申請をもとに、緊急性、必要性の高いものを優先して行い、 17件、 9,025,000円となった。
 援助地域は、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、ブラジル、ブルキナファソ、シエラレオネ、エチオピア、マダガスカル、インドネシア、東チモールなど。
 援助内容は、学費および奨学金、司牧用車の維持費、医療用機材購入費、発電機やコピー機購入費、託児所開設のための費用など多岐に及んでいる。
Cその他に、事務室来訪の一時帰国宣教者から情報収集や、手分けして宣教者ヘクリスマスカードを発送するなどの通常通りの活動があった。
[会計報告] 2002.4.1〜2003.3.31
収入
会費・寄付金13,061,056円
基金より1,500,000円
預け金利子14,658円
前年度余剰金1,186,373円
合計15,762,087円

支出
援助費9,025,102円
研修費142,727円
運営経費4,842,713円
次期繰越余剰金1,751,545円
合計15,762,087円
U. 2003年度の活動計画と予算案は、審議のうえ承認された。
@例年の活動のはか、講演会の開催、海外宣教者名簿2003年版を700部発行することになった。
A昨年とほぼ同規模の予算であることが担当者から説明があった。
V.会則の変更について
会則5に条項中、「顧問1名」とあるのを「顧問若干名」と改定することに決定した。
W.きずな83号について
@担当者のミスで『きずな』の号数に誤りが生じため、発送作業時にシールを貼る手間がかかった。
A派遣されている宣教者数の一覧はこれからも時々載せてほしい。
X.きずな84号について
@巻頭言は南アフリカでエイズ患者を看取っていらっしゃる根本昭雄神父(フランシスコ会)お願いしたいが、都合がつかない場合は一時帰国中の宣教者にお願いする。
B原稿締切りは8月1 0日、発行は9月1日、発送作業は9月3日の予定。
Y.援助審議
1)ボリビアのSr.斉藤クニ子(礼拝会)から、サンタクルス市にあるビアエミリア母子寮(未婚の母など行き場のない人々の寮)の子供55人の養育費、学費として6,000ドル、保育園のテレビおよびビデオ購入費1,000ドルの申請があり、検討の結果、合計7,000ドルの援助を決定した。
2)ボリビアのSr.山口多香子(サレジアンシスターズ)から、サンファン移住地など3カ所への宣教活動費として4,000ドル(1,000×4人分)の申請があり、援助を決定した。
3)カンボジアのSr.黒岩あつ子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から、栄養と健康管理支援のための費用5,802ドル(子供、乳幼児それぞれ150人に週1回実施、52週分)と、学校へ進学するための支援費992ドル(本や制服などの購入費100人分)の申請があり、両方の援助、 6,794ドルを決定した。
4)ブラジルの神言会所属のカテキスタ箕浦まささんから、タピライに福音宣教のための集会所を建設。そのための費用の一部、ドーム屋根の費用として100万円の申請が出されていたが、現地へ問い合わせなどして検討の結果、援助を決定した。
5)ペルーのSr.川俣恭子(礼拝会)から、リマ市の"街の娘たち"(売春している貧しい女性)に新しい生活をするための職業訓練をしているが、適所のためのバス代(1日30人・1年分)とパン代(1日40人分・1年分)として3万ソレス=9,000ドルの申請があり、決定した。
6)ブラジル・サンパウロ州のSr.佐藤和、Sr.佐々木光子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)から、司牧のためのカトリック雑誌や新聞の購読料として537ドルの申請が出され、援助を決定した。
Z.その他
1)海外宣教者名簿を700部発行し、教区事務所、修道会、関係団体、それぞれの派遣先へ送った。
2)次回の運営委員会は9月9日(火) 18:00よりSJハウスで行う予定。