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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『海外宣教師は特別な召し出し』

新潟教区司教 佐藤 敬一


 20年前、フランシスコ全日本管区から派遣した宣教者たちを訪ねて、アフリカのケニヤとマラウイを回ったことがあります。そのとき痛切に感じたことは、自分は海外宣教師にはなれないということでした。
 ナイロビの修道院では、修道院といっても部屋数だけが多い普通の家でしたが、雇った夜警が一晩中、窓の下を歩き回っていました。「泥棒が入るからだ」ということでした。それを聞いた晩から、わたしは寝つきが悪くなりました。田舎の教会では真夜中に、わたしの部屋のドアを開けようとする音に目が覚めました。大声を上げたら静かになりましたが、それも「強盗だろう」ということでした。宣教師にはまず勇気が必要なのですね。
 アフリカの道路には驚きました。コンクリートのような赤土が、雨が降ると泥に変わって本当によく滑ります。馬の背になった所ではトラックが何台も溝に落ちていました。その間を宣教師は車を滑らせながら、アクロバット運転をするのです」運動神経と運転技術も必要なのですね。赤土は乾けばまた大変です。わたしは靴の泥を落とすのに泣きたくなりました。「濡らしてふき取れ」と教えられ、そんな知恵さえ働かない自分にがっかりしたのです。
 空港では、太った日本人だったからでしょうか(当時は100キロ以上ありました)、なかなか通してくれません。痩せた係官が苦い顔して首を槙に振るばかり。やっと気づいて10ドル握らせたら、とたんにニコニコ、通してくれました。こういう習慣があるのかと、少々利口になったつもりでしたが、後で「10ドルはやり過ぎだ」と叱られました。わたしが袖の下の額を吊り上げたようです。今の相場はもっと高くなっているでしょう。
 食べ物が問題でした。共同体の台所では大鍋で肉をグツグツ煮ています。「適当に取れ」と言われて大きな塊を選んだのですが、硬いこと、ライオンでなければ歯が立ちません。バッファローの肉だったかもしれません。歯も胃も丈夫でなければ、宣教師は勤まらないのでしょうか。一週間たって「ご飯が恋しい」と愚痴ったら、中国料理店で不味いチャーハンを食べさせてくれました。「アフリカに来てぜいたくだ」と言われながら。
 海外宣教師というのは特別な召し出しです。聖霊から特別の賜物(カリスマ)をいただかなければなれない、勤まらない任務だと思います。わたしには明らかにその恵みがありません。だから海外に出て行く側にではなく、送り出す側に留まって、何かのお手伝いをさせていただきたいと思います。どうぞよろしく。






『第八回運営委員会議事録』

日時:2003年3月18日(火)18:00〜20:00
場所:四谷SJハウス会議室
T.顧問司教について
 新潟教区の佐藤敬一司教様に「会」の顧問司教をお願いしていたが、75歳の定年までお引き受けくださることになった。
U.運営委員およびきずな担当者の変更について
 八巻信生民から健康上の理由による運営委員、きずな編集担当の役職を辞任したいとの要請があり、了承した。委員を退いても「顧問」という立場で助言などお願いすることになった。
V.きずな82号について
 1)今号を見てこの会の援助が、国によって活動によって、いかにさまざまであるかをあらためて実感したとの感想があった。
 2)シスター岡野(千葉出身)の「未熟児双子は育つ」を読んだ千葉の信徒から、援助の希望があり、きずなおよび会の案内パンフレットを教会に届けた。
W.きずな83号について
 1)巻頭言は佐藤敬一司教様にお願いする。
 2)原稿締切りは5月10日、発行は6月1日、発送作業は6月4日(水)の予定。
X.援助審議
 1)ボリビア・コチャバンパのシスター立石順子(宮崎カリタス修道女会)から、託児保育園を開園(2〜5歳児70名)するための立ち上げ費用として4,320ドルの申請があり、援助を決定した。
 2)ボリビアのサンタ・クルスの倉橋輝信神父(サレジオ会)から、サンタ・クルス市およびサンフアン移住地区に住む日本人信徒の司牧のための費用(主としてガソリン代)として1年分450ドルの申請、同時に日本人司祭のいない隣国アルゼンチン・ブエノスアイレスの日本人コロニアへの年1回の司牧費(4カ所、10日間滞在)867ドルの申請があった。検討の結果、2件の援助を決定。
 3)東ティモールの山田経三神父(イエズス会)から、スアイのトイレのない生活をしている100世帯が自ら44のトイレを建設することになり、その資材調達費として40万円、また広い地域に住む200世帯がグループでブタ、ヤギなどを飼育するための動物購入費として20万円の申請があった。どちらも自立、自助努力による発展が見込まれることから援助を決定した。
Y.その他
 1)事務局の聖堂入り口の小部屋への移動が3月12日に決定。
 2)次回の運営委員会は6月10日(火)18:00より四谷SJハウスで行う予定。






『日本から海外に派遣されている宣教者』

2003.1.現在
国名総数司祭・修道者修道女信徒
総数351522928

アフリカ376310
アルジェリア2020
ベニン1010
ブルキナファソ2020
カメルーン1010
コンゴ4040
コートジボアール2020
エチオピア2020
ケニア5320
マダガスカル3030
モーリシャス1010
セネガル1010
シエラレオネ1010
南アフリカ4220
チャド6060
ザンビア1100
ジンバブエ1010

北米・中米376310
カナダ111100
ドミニカ1010
ガテマラ1010
ハイチ5050
アメリカ合衆国195140

南米9910872
アルゼンチン1100
ボリビア171151
ブラジル598510
チリ1010
エクアドル1010
パラガイ7070
ペルー130121

アジア11423874
カンボジア5032
東ティモール3201
ホンコン2020
インド3030
インドネシア5050
イスラエル2110
韓国313280
マカオ2020
ネパール3111
パキスタン2110
フィリピン4315280
台湾9090
タイ4040

ヨーロッパ525461
ベルギー3030
イギリス1010
フランス140140
ドイツ122100
イタリア142120
ポーランド1010
ポルトガル1010
ロシア4031
スペイン1010
バチカン1100

オセアニア12291
オーストラリア5050
ミクロネシア4040
パラオ1001
ソロモン諸島2200