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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES





『アフリカ』

チャド 南アフリカ マダガスカル





『内戦・エイズで平均寿命、縮まる』

〜チャド〜
ショファイユの幼きイエズス修道会 永瀬 小夜子
 ……チャドは去年、極度の雨不足で米・麦の値上がりがひどく、品物も不足し始めています。今年の6〜7月、飢餓は間違いなしと案じています。常日頃からストックのない国ですが、チャドは最貧国の債務取消の枠から外されているようです。国への援助金で武器を購入しているからとのことです。北部の内戦は激しさを増しているようです。負傷兵が病院に運ばれて来、また、チャド人としての証明を持たない若者達が、ある日、突然、トラックに積み込まれて、北部に連れて行かれるということです。
 選挙があるといっても、政権争いが民族の争いとなり、一向に改善されず、平和はまだまだと言えるようです。貧しい人、小さい者は相変わらず苦しみから脱けることが出来ない国です。先日、医師会の報告で、(チャドの)平均寿命が42〜45歳だったのが、今は38、39歳、戦争に加え土イズ患者の死亡が原因です。
 昨年12月25日のN'Djamin教区での大聖年の祭典には、汽車、乗合バスもない国なので、人々は大型トラックの荷台にぎっしり
と相乗りで1000km、600kmの遠くから、巡礼に来ていました。(それら)集まって来る人達を受け入れる教会、民家、当然のように、食事を提供する人々の寛大さに感心いたしました。






『修理・改築器材集めに飛び回る日々』

ショファイユの幼きイエズス修道会 入江 多嘉子
 今、雨期に入る前にと、修理、改築のための器材購入、砂、砂利集めにと動き回っています。雨期に入ると交通手段が止まってしまうので十分な準備が必要です。器材が揃えば工事に取りかかります。その仕事の手順も、地域住民の代表者達と相談しながら、地域住民の参加を促しています。今年は寒さが長く残っていて、急性の呼吸器疾患が多く、診療所は病人が途切れるいとまがない程です。
 一部の地域では、飢饉が深刻な問題になっています。今から、雨の降るのを期待しています。日本でも、今年は大雪の所があったようですね。






『相変わらず、犯罪多発地帯で』

〜南アフリカ〜
聖パウロ女子修道会 植山 由紀
 こちらは相変わらず犯罪が多く、盗み、カー・ハイジャック、レイプ、子供の誘拐等、日常茶飯事です。今年に入ってからも、所属する小教区のポルトガルとイタリアの2人の信徒が、銃で射殺されました。私達のシスターも2回程ハンドバッグを盗られました。赤信号で止まっていた時に、グループでやって来て窓から盗る…などの手口です。先日も、「余りにも犯罪が多いから」という理由で、同じ教会の中国人ご夫妻がイギリスへ旅立たれました。
 多くの白人が平和を求めて、南アフリカから出て行っています。
 私達は、7人、6カ国(イタリア、インド、ポルトガル、コンゴ、フィリピン、日本)の共同体で、皆、元気に宣教に励んでいます。





『新教区誕生』

〜マダガスカル〜
マリアの宣教者フランシスコ修道会 平間 理子
 今年2月18日、こちらの新教区が誕生し、それと同時に新司教も誕生、私達の修道院の全員が招待され、2月16日夜に出発して、50kmの道のりを、途中で一泊しながら、式に参加しました。
 また、こちらでは初めての司教叙階式にも与りました。素晴らしい式でした。
 奉納では、新司教様に必要な品々が捧げられ行列の最後にはベッド、机、椅子までも奉納されました。式の後は参加者を招いての昼食会でした。
 式の直後、直ぐに帰途に着きましたが、海辺のバンガローにも一泊し、休養も兼ねた一石二鳥の時を過ごしました。
 こちらのカトリックの信仰は、まだまだ生き生きとして伝わっており、力強いものを感じました。






『中・南米』







『世情不安な日々の中で』

〜パラグアイ〜
聖霊奉侍布教修道女会 宮入 キワ子
 こちらビラポは今、秋の収穫の時期に入りました。黄色く実った大豆畑はコロニーを彩っています。この地では、大豆と小麦は二大農作物で、その収穫如何でその年の経済生活が大きく左右されますから、油断はなりません。
 パラグアイでは、最近は毎日のように銀行、会社、店などが泥棒に襲われ、一般家庭でも、自動車、トラクター、オートバイなど何時盗まれるかわかりません。
 そんな社会の中で、私たちは何が出来るかを探しつつ、学校では子供達に、教会では若い人達に、また、家庭での要理教育等を通して、キリストの愛、真理、正義が根づき、成長していくことを願いながら、小さな努力を続けています。






『神様の許に戻った田中亮神父様』

コングレガシオン・ド・ノートルダム 上谷 善子
 パラグアイに赴任してから、早くも1年半経ってしまいました。イグアスでは秋分も過ぎ朝晩多少涼しくなりましたが、日中は相変わらず真夏の暑さです。でも、イグアス地方は、暑いのは暑いですが、アフリカや南米の奥地と違って気候は悪くありません。それに私共は、日系人の移住地に住んでいて、水がとても良いので有り難いです。この水は日本人会が井戸を掘り、上水道を作って各戸に送っているので、そのまま、安心して飲めます。電気は時々、停電がありますが、初めの頃よりずっと良いようです。
 先日、ブラジル・マリンガの田中亮神父様の急逝の報に驚きました。神父様は1年に2〜3回、イグアスを訪問して下さり、私たちを慰め励まして下さいました。お昼にはご持参のお握りやお寿司で私達も御馳走になりました。
 1、2カ月前にもお客様をイグアスの滝に案内されてから、私達の所に寄って下さいました。ミサを捧げられ、本当に働きながら神様の許にまお戻りになったのですね。






『経営難で、実績35年の家政学校、廃校へ』

聖霊奉侍布教修道女会 林 静子
 …エンカルナシオンで35年間続いていた、家政学校が2000年12月をもって廃校になりました。理由は、洋裁、家政を習う生徒が、時代の影響で段々少なくなり、経営困難になりました。それで教室を大学に貸すことになりました。Universidad Norteという大学が教室を造り変えて、4月から授業を始めています。この家政学校には故田中神父様や梶川神父様も立ち寄られ、一時は相当に、名の知られた学校でした。
 日本人一世にはやはり、言葉の障害があってこのパラグアイの社会になじめず、老人会、ゲートボール、ミニゴルフなど日本人だけを対象とする団体があります。二世の青年達もパラグアイの青年達とは別の青年グループを作ってお互いに馴染もうとはしません。国際結婚をした場合には徐々にこの壁も崩れて行きます。
 幼稚園にもハーフの子供達が数人来ていますが、子供達は上手に言葉を使い分け、例えば、日本人一世のおじいさん、おばあさんには、日本語で話します。パラグアイは南米で、唯一のBilingue(2カ国語)の国ですが、スペイン語の他に祖先からの言葉グアラニー語も小中学校で必須課目になっており、日本人子弟は小さい暗から3カ国語を学びます。






『優秀な識字教室卒業生達』

〜ハイチ〜
無原罪聖母宣教女会 本郷 幸子
 …“ボン”“ボン”という爆発音に耳を塞いでは、素早く、「ボン菓子機」に残った材料が焦げつかないように掻き出す機敏な動作、砂糖でシロップを作り、膨らんだライス、トウモロコシ、アワなどにまぶし袋詰めにする作業。識字教室から他校に進学した3人(6年生)が、ボン菓子機の操作を習得し、一人前の職人業です。一昨年、在ハイチ日本大使館の草の根援助で、ボン菓子機7台が7校の給食の−環として寄贈されました。昨年の冬休みに会長ご一家、機械の製造元の方に運転方法を伝授して頂き、週末になると、殆どボン菓子製造業に変身しています。「チョーダイナ」という子供達の声に右、左と駆けずり回っています。トウモロコシ、ライス、アワ、マカロニ等が数倍にもなり、空腹のつなぎとなって子供以外にも大繁盛しています。
 識字教室の生徒は現在177人。今年6月には5名が小学校の課程を卒業する予定です。中学に進学するより職業学校に入るよう奨めています。今、他校に通っている生徒は30名になりました。学期末には、成績表を親よりも先に私の所に見せに来ます。殆どが「中」以上の成績で、中にはクラスで2番という子も居て、来年は1番になるよう頑張るそうです。自分の名前も書けなかった子の成長ぶり、将来を担う子供たちが、それなりの進歩を通してハイチの意識改革に繋がってくれればと願っています。






『アジア』







『結核治療終了式』

〜フィリピン〜
アシジの聖フランシスコ宣教修道女会 片山 ミヨ子
 こちらで「きずな」を手にして、今年で6年目になります。‥‥‥国政の不安定な国々で宣教に励んでいらっしゃる宣教者の皆様から、力を頂いています。
 私達の共同体は、この1月にブラジルから1人のシスターが加わり、シスターが6人、フィリピン人のポストランテ2人の8人の共同体になりました。
 日本、イタリアからの援助によりクリニックと就学援助を行っています。昨年12月には、第6回結核治療終了式を行いました(年2回行っています)。治療式が終わると感謝のミサを行い、その後、ささやかなパーティを行います。今回は乳幼児、大人合わせて100名以上になりました。また、小、高、大学合わせて現在28名の子供達が通学しています。






『「会の新しい出発(たびだち)へ心からの拍手を!!」』

無原罪聖母宣教女会 守山 陽子
 いよいよ国際協、移住協の機構改革が現実となりますね。一つの目的が果たされ、新しい必要に応じて変わっていくことは大きな決断、勇気と謙虚さが求められることでしょうが、見事に改革を果たされた関係者の皆様のお働きに、心から拍手を送らせて頂きます。
 送って頂いた司教団のメッセージ「いのちへのまなざし」一言一句、味わいつつ、拝読させて頂きます。新たなる出発となる「カトリック難民移住移動者委員会」、公認団体として独立し、活動を続けられる「支援する会」の上に、神様の祝福をお祈り申しあげます。





『「いのちへのまなざしの教えるもの」』

御受難修道女会 松田 翠
 「いのちへのまなざし」お送り頂き有り難うございました。この司教団のメッセージは、信者、未信者全般に向けて書かれており、明快で分かり易く、心ある方々であれば未信者の方々もきっと賛成され、深く反省して下さることと希望しております。日本も経済成長に伴って楽しみを追求するのが人生の目的のように生きている人々、とくに若い人に多く、(この本によって)開発が遅れ、貧しさの中で今日一日をやっと生きている人々を知らしめたような気がします。私もフィリピンに来て、今年の7月で26年になります。





『嬉しい、韓国への関心』

〜韓国〜
マリアの宣教者フランシスコ修道会 尾山 タカヨ
 私は、光明市に移り住んでから1年過ぎました。「きずな」を頂き有り難うございました。
「海外宣教者を支援する会」の様子もよく分からせて頂きました。
 先日、此処に、新潟教区の石黒神父様が、6人の高校生と一緒に来て下さり、ごミサを一緒に捧げて下さり、皆、大喜びでした。
 韓国に関心を持っておられるので、とても、嬉しく思いました。一番近い国ですから、お互いに仲良く協力して、平和の世界を造りたいものですね。





『”私の今日”からはじめよう』

〜マカオ〜
聖パウロ女子修道会 山田 絢子
 送って頂いた「いのちへのまなざし」で、時代の変遷に伴う社会的問題に多くの助言、提案、ヒントを頂き感謝申し上げます。
 日本での問題は、私たちの宣教の場でも感じています。遅かれ、早かれITの渦が世界を巻き込むでしょう。何かをしなければという危惧は、切羽詰まって感じられるのですが、具体的には問題が拡がり過ぎて、やはり、足元、身の回りから、つまり、私の今日一日からということになります。





『男子産めず、離婚された妻』

〜パキスタン〜
マリアの宣教者フランシスコ修道会 岡野 真弓
 私がこのイスラムの国パキスタンに着いたのは1999年5月、早や2年になります。
 …パキスタンでの初めの1年は、公用語であるウルドゥ一語の習得と気候・文化に慣れることに費やされました。この古くて、新しい国の一つの課題は、教育の普及、充実です。日本より人口は多く、子沢山で、1夫婦に6〜8人の子供も珍しくありません。貧富の差が激しく、義務教育制度もしていないので、貧しい家庭の子供は小学校を終了せずに働き始めます。
 識字率は20〜30%位と聞いています。
 女性の地位は低く、結婚は早いようです。10代後半での結婚は珍しくなく、女性は、男の子を持っ事がとても大切で、男の子が得られない場合は離婚、または、夫が別の妻を持つことも珍しくありません。私は医師として昨年8月からファイザラバードの聖ラファエル病院に勤めています。ベッド数100の主に産院です。年間3000例のお産があります。
 美しく着飾りながら悲しく沈んだ顔の女性がいます。男の子がないため離婚され、或いは、夫が別の女性を娶った女性です。保険制度がないので、国立病院での診察費は安くても、検査費、薬代は個人持ちなので受診したが薬が買えないことも珍しくありません。労働者の1カ月の給料が6000円なのに、この地に多い結核の薬は8000円もします。










『歩み出す、若者たち』

〜ミクロネシア〜
援助マリア修道会 赤岩 恵子
 昨年度は、家庭訪問用トラック購入のためのご援助を有難うございました。新しいトラックが着く5日程前に今まで使っていた軽トラックがエンジン・トラブルを起こし使用不能となりそのタイミングの良さに驚きました。
 2月2日は、カロライン諸島が、独立した教区となって20年。2月3日の土曜日、各教会の若者400人がコロニアの教会に集まり、感謝の祭儀を捧げた後、「自分達の手による、教会」をテーマに弁論と歌の発表がありました。「司祭、助祭が年老いていく中で、自分達が歩き出す時」という発表に、40代の助祭達が顔を見合わせ、“年老いて?”と言いながらも、若い人達の熱心さに、顔がほころんでいました。ミクロネシアの現状は、明るいものではありません。具体的な経済基盤もないままアメリカとの自由協定も終わりに近づいています。
 人口の約10%がグァム、サイパン、アメリカへ出稼ぎに行っています。教育、病院の充実は優先課題ですが、経済は遅々とした歩みです。でも、人々は美しく、豊かな自然に恵まれた平和を感謝し、誇りながら生きています。






『ヨーロッパ』







『現代の教会を生きることを学ばされる』

〜フランス〜
ショファイユの幼きイエズス修道会 船曳 沃子
 この度は「いのちへのまなざし」を有り難うございました。早速、読ませて頂きます。
 外国で生活していると、勿論、言葉の関係が第一の原因ですが、どうしても、現代の教会を生きることから遠のいているのが現実です。
 周囲には、新聞、雑誌、マスコミが溢れるばかりにあっても利用出来ない歯がゆさを感じる日々です。従って、今回のようなご配慮は私にとって大変嬉しいことです。