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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『世紀を越えて、さらに新しい運動の展開を』

(広報担当) 八巻信生
 20世紀から21世紀へ−多くの人々は年が革まる新年に、“古きを捨てて、今年こそは”と、様々な決意をする。
 ましてや、100年に1度しか経験出来ない“世紀越え”にあたっては、その思いは一層深く、自分も、他人(ひと)も、社会も、世界も、大きな変革が遂げられるよう期待している。
 日本から海外に派遣され、世界の各地、僻地で宣教活動し、住民と共生、苦楽を共にしている宣教者達への支援を19年間にわたって続けてきた私たちの運動も、今、大きな転換期を迎えようとしている。
 2001年、日本のカトリック史上、いまだ嘗っていない大きな機構改革が行われる。
 移住問題に対応するために設立された「移住協議会」は、初期の目的を達成したとして、3月31日をもって解散することになった。
 組織上、「移住協議会」の下部組織であった「海外宣教者を支援する会」は、今後、日本カトリック司教協議会の公認団体として、独立して海外へ派遣されている宣教者への支援活動を継続することになる(この項、次号2001年6月1日発行(予定)「きずな」75号以降で詳述)。
 「海外宣教者を支援する会」の新しい出発(たびだち)にあたって通算19年間にわたる「会」の活動を振り返って、その歩みの中から新たな確信と活力を求めることも、意義あることと思いその歴史のページを播(ひもど)いてみよう。
 「海外宣教者を支援する会」(Association for AID to Overseas Missionary)は、海外に日本から派遣されている宣教者を通して、世界の人々との交流、連帯を密にし、世界各地域社会に奉仕する宣教者に対して、精神的、物質的支援を行う一方、日本国内においては、宣教者の活動を広く人々に知らせ、理解を深め、多くの人々の支援の輪を拡げることを目的として、1982年9月1日に設立、発足した。
 「会」の創始者は、日本カトリック移住協議会・専務理事(当時)梶川 宏神父(故人・修道会マリア会司祭)であった。
 梶川神父の「会」設立の意向に対して、日本カトリック移住協議会は、1982年1月、海外日本人宣教者への援助活動をする「海外派遣日本人宣教者を支援する会」の発足を1982年度事業計画に盛り込んだ。
 1982年3月、移住協議会編・海外宣教者の書簡集「世界に生きる」を発行。大反響を与えた。梶川師が、海外日本人宣教者の支援組織の編成を計画し、信徒有志に呼びかけた。1982年5月、日本カトリック移住協議会理事長・石神忠真郎司教が「海外日本人宣教者を支援する会」の結成を呼びかけた。
 同5月31日〜6月5日、全国司教会議に「海外日本人を支援する会」の創設、募金、活動計画等を諮り、全司教により、設立承認された。
 1982年9月1日、「海外日本人宣教者を支援する会」の設立発起人会(13名)を開催し「会」の発足を確認し、初代会長に服部比左治氏(外務省・参与・故人)を選出した。
 1982年11月29日、広報誌「きずな」(季刊)創刊号を発行、以降3カ月毎に発行し、2001年3月現在で74号に達し、海外で宣教にあたる宣教者たちの力強い友として、また国内会員の連帯の絆(きずな)となっている。
 海外宣教者たちへの支援も、3カ月毎に開かれる「会」の役員会で、援助申請を審査し、必要度の高いものから順次支援を決定し、飢餓対策、貧困、病人、生活苦の人々、教育費、医療設備、医薬品などの支援に年間約1000万円を贈っている。
 公認団体として独立した「海外宣教者を支援する会」は、今後さらに会員数(2001年3月1日現在2152人)を増やし、会員の絶大な協力により、支援の輪を拡げ続けていくことが、その使命であろうと確信している。






『援助決定』

 (2000年12月12日現在)
地域援助申請者援助概要援助額
ボリビアSr斎藤くに子(礼拝会)貧困労働者の子弟で、向学心のある青年の上級校進学のための奨学金。(下宿費、食費を含む)10名分1,209,600円(10,800ドル)
チャドSr入江多嘉子(ショファイユの幼きイエズス修道会)ギダリ診療所の修理改築に伴う健康教室新設の費用。1,000,000円
コートジポアールSr勝一美(クリスト・ロア宣教修道女会)中高生対象の図書館開設のための図書購入費として。500,000円
パキスタンSr岡野真弓(マリアの宣教者フランシスコ修道会)ファイザラバードにある聖ラファエル・ホスピタルで必要な心電図計と抗結核薬の購入費として。770,000円
合計 3,431,600円






『75回役員会報告』

 「会」の「第75回役員会」が、2000年12月12日(火)、午後6時から、東京・四谷SJハウス会議室で開かれ、以下の案件を審議、決定した。
議事
(1)「きずな」73号について
 @今号に久保芳一神父(コンベンツアル・フランシスコ修道会)の講演(10月21日、ニコラ・バレ修道院会議室で開催)「ザンビアで13年」の要旨を掲載した。また、ロシアからのニュース、便りが入って来ているので、これからも順次掲載していきたい、との編集者からの報告があった。
 A組織変更に伴う紙面上の変更(例えば本会の名称や振替口座番号、連絡先など)は、6月発行の75号までに周知することになった。
(2)「きずな」74号について
 @巻頭言は組織変更前の締めくくりとして、八巻信生民(広報担当)に依頼する。
 A例年どおり、各国からのクリスマスカードやメッセージが届くので、原稿は多くなる予定である。
 B原稿締切りは、2月10日、発行は3月1日、発送作業は3月7日(水)の予定。
(3)援助審議(別項)
(4)その他
 @日本カトリック移住協議会解散後の本会の組織、活動などについて、2回、検討委員会が開かれ、その報告があった。すべて確定されてから、74号または75号で報告、周知することになった。
 A今後の活動において、会則が必要になるため、検討、作成している。
 B次回役員会は、3月13日(火)午後6時から、東京・四谷のSJハウス会議室で開催。