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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『きずな−祈りに支えられて』

海外宣教者を支援する会・会長・ヴエンデリーノ・ローシャイタ神父
 私が日本に宣教に来て早いもので、もう51年なります。
 今年の1月末から3月までブラジルに帰国する機会がありましたが、そこでこの「きずな」のタイトルが自然に思い浮かんだ、印象的な出来事がありました。それを是非皆様に感謝の中に分かち合いたいと思いペンを執りました。
 今回の帰国の目的は、私の出身の小教区の、サン・ジョゼ・ド・ホルテンシオの教会創立、150周年の記念ミサとその行事に出席するためでした。
 ミサも行事もすべて終わり、親戚や友人とも別れを惜しみ、さあ、明日、日本に向けて出発するというその日の夜のことでした。私に一本の電話がありました。
 それは、私の知らない人の名前でしたが、「新聞で貴方が帰っていらっしゃることを知りました。是非、お目にかかりたい」というものでした。お年寄りの声でした。私は勿論、「どうぞ、お待ちしております」と答えました。
 暫く経って、1人の老紳士が修道院にやって来ました。その紳士は昔、弁護士をしていた、86歳のエッグベルト・ギード・ベッケルさんでした。彼は私にこう言いました。
 「新聞で貴方が帰っていらっしゃったことを知って、是非、お目にかかって、伝えたいことがありました。間に合って本当によかった。神父様は覚えていらっしゃらないかもしれませんが、神父様が日本に発たれる前にアンシュタで壮行会が開かれましたね。その時、私は「神父様と日本のために、毎晩、祈ります」とお約束しました。この50年間、忙しい時も、病気の時もありましたが、祈りを欠かしたことはありませんでした。少なくとも「めでたし」の祈り1回しか出来ない時もありましたが、神父様と日本のために祈りました。これからも私のいのちのある限り、祈り続けます。それだけを申し上げたかったんです」と。
 私はこの話を聞いて感動しました。確かに、私が日本に派遣される前に、イエズス会の学校・アンシェタ校で私たちの壮行会が開かれました。私のところに大勢の方々が来て、いろいろ励ましの言葉をかけて下さいました。ですから特徴のある何人かのことしか覚えていませんでした。正直なところ、私は、この方のことは、覚えていませんでした。
 ただ、私が日本に着いた時、一人のドイツ人の老宣教師が「日本の言葉、文化を大切にしなさい。しかし、それ以上に大切なことは、心がここにあることです。これを忘れてはいけません」と勧めを下さいました。この言葉を忘れずに、どんな時も、いつも、心を日本に、自分に与えられた使命に注いで来ました。ですから、日本での宣教がイヤになることもありませんでした。かえって、感謝することばかりです。
 私が日本に来て何か困難に出会うたびに、いつも、不思議に思うほど、いろいろな機会に、必要な助けが与えられました。その度に私は、誰かがいつも祈りで支えていて下さっているのを感じていました。ですから、この老紳士の心からの言葉を聞き、私をいつも支えて下さっていた一人の方にお目にかかる機会を神がお与え下さったのだと分かりました。
 私がいつも感謝をもって、ミサの時に祈りを捧げている、見えない姿の協力者のお一人に出会えたのです。
 こうした宣教師を支えてくださっている人は多いのです。ですから、今回改めて、宣教者が自分の働いていることについて、分かち合いをすることは意味があるということと、「宣教者を支援する会」の働きは、非常に意味があるということを痛感しました。
 今回のこの出会いを通して、私は、改めて、派遣してくださる方々と宣教師の切っても切れない「きずな」、いっでも、どんな時でも宣教師の支えとなることが出来る強い「きずな」があることを感じました。

ローシャイ神父様の出身・小教区の創立150周年記念ミサでの行列
ローシャイ神父様の出身・小教区の創立150周年記念ミサでの行列






『72回役員会報告』

 「会」の第72回役員会が、2000年3月7日(火)午後6時から東京・四谷のニコラ・バレ(ショファイユの幼きイエズス修道会)の104宣教室で開かれ、以下の案件を審議、決定した。
議事
1.「きずな」70号について
(1)例年のことながら、クリスマス、新年にあたり、お便りが多く、さらに、新・派遣者6名の紹介、帰天者の紹介等でページが増え20ページになったと編集者から報告があった。
(2)巻頭言は梅村司教多忙の由、Sr川俣の、ボリビアからの手紙が、巻頭言に相応しかったので掲載したとの報告があった。
(3)宣教者の名前が読み難い場合にはルビを付けることになった。
2.「きずな」71号について
(1)巻頭言は2〜3月にかけてブラジルを訪問したローシャイタ神父様に依頼。
(2)中央協議会の小田神父が、姉のSr小田美津江(マリアの宣教者フランシスコ修道会)をエチオピアに訪ねて帰国。訪問記を依頼。
(3)原稿締切は5月10日、発行6月1日。発送作業は6月7日(水)の予定。
3.援助審議 (別項)
4.その他
(1)「会」の案内パンフは、次回までに、写真、地図、郵便振込用紙を付け、三つ折りにしたものを作成、検討することになり、八巻、諏訪が担当。
(2)次回役員会は6月13日(火)午後6時〜東京・四谷 SJハウス会議室で。






『援助決定』

 (1999年12月7日現在)
地域援助申請者援助概要援助額
ペルーSr井上優子(天使の聖母宣教修道女会)中央司牧施設の屋根修理費用として、6,929ドル(769,119円)の申請があったが、今回は材料費のみ4,176ドル(463,536円)の援助を決定463,536円(4,176ドル)
ボリビア倉橋輝信神父(サレジオ修道会)台風被害による塀の修理費、教会トイレの改造費用として、6,877ドル(763,347円)の申請があったが、今回は約半分の3,000ドル(333,000円)の援助を決定。333,000円(3,000ドル)
アルゼンチン北島泰治神父(神言会)アルゼンチン・パラグアイの日本人司牧のための車の維持費、ガソリン代。333,000円(3,000ドル)
インドSr小川和子(御聖体の宣教クララ修道会)診療所での貧困患者への薬剤費の一部と、生活困窮家庭の子女援助金の一部として、10,000ドル(1,110,000円)の援助申請があったが、今回は3,000ドル(333,000円)のみの援助を決定。他は新年度回し。333,000円(3,000ドル)
日本X.ローシャイ神父(日本カトリック移住協議会)援助物資の送料、40個分。500,000円(2回分)
総計 1.962.536円