『ザ・メッセージ』(海外短信)
『ECHO』(熊本市 奥村フサエ)
(川崎市 安藤豊)
(沖縄 波平宏)
(鹿児島川内市 長崎純心聖母会・川内天辰修道院)
(鹿児島熊毛郡中種子町 市村和子)
(札幌市 渡辺知栄子)
(沖縄具志川市 翁長美以子)
(東京・世田谷 乳井久子)
(埼玉上福岡市 杉岡三千雄)
(扶助者聖母会 武石聡子)
『ニカラグア、そして「希望の家」をこれからも、よろしくお願いします!』ベリス・メルセス宣教修道女会 弘田しずえ
これまで、メキシコをベースにニカラグア、グアテマラで活動していましたが、この二月中旬、ローマに任地が変わりました。
一時帰国したのを機に、いつも支援して下さっている方々にお礼を申し上げ、同時に、変わらぬご支援をお願いしたいと思います。 海外に居て、日本からの「絆」を受け取ることは、本当に嬉しいものです。日本に居れば、あらゆる情報が溢れていますが、中米ニカラグアでは、情報だけでなく、何もないんです。私は常々、人のつながりが、国際化の始まりと考えていますが、「絆」はそれをつなぐ大切な手段だと思っています。 ニカラグアは、メキシコより少し南、人口四ナ目方人の小国です。 一九七九年まで五十年以上も、軍事独裁政権下にありました。イギリスの植民地だった大西洋側は、先住民も住んでいますが、中央部は森林地帯、太平洋側は、スペインの植民地で、どんどん混血が進み、先住民は殆ど居なくて、言葉も消えてしまっています。 コロンブスの新大陸発見以来の五百年問で、中・南米は、すべてカトリックの国に、そして、ブラジルを除いて、すべての国でスペイン語が話されているというのも、考えてみれば、異常なことと言えます。 サンディニスタ民族解放戦線による革命が成功し、教育や医療が無料となり、六カ月の識字教育で識字率五十%に、また、予防としての医療を受けられるようになり、それまで多かった小児麻痺などは、短期間のうちに克服されました。この革命は、十代の若者が多かったせいか、農業政策が後手に回ることが多かったのです。自作農を作らず、プランテーションで、単一作物を作ることは、作ったものを自分たちが口に出来ない上、暴落の危険も学んでいます。 一年半後、アメリカが仕掛けたコントラ戦争が起こり、七万人が死にました。本当にいろいろなことがあって、社会は大混乱。女性たちは、夫や息子を失って、希望が持てなくなりました。その後も政権が変わったりしましたが、経済情勢は一向によくなりません。 さて、一九九一年のある日、エルビエホ(人口七万の地方都市)のシスターの家に、二人の、障害を持った女性が訪ねてきて、何かをしたいので、力を貸してほしいと言ってきました。調べてみると、近辺に、五十人くらいの、知的、身体的に、障害を持った女性が居ることが分かりました。日本と異なり、小児麻痺を患った女性が多く、また、大半は、読み書きが出来ないのです。でも、毎日集まるようになり、何か収入に結びつく物を作ることになりました。 はじめ、ピニャー夕(クリスマスや祝日用のキャンディなど入れた小さな包み)を作ったのです。(でも)貧しい食生活をしている人が多い所では、それほど売れる当てもない。三食食べてない人がピニャー夕を買うわけがありません。いろいろ知恵をしぼって、ようやく、カード作りに落ち着きました。はじめは、大使館関係を中心に売っておりましたが、昨年、日本の国際協力委員会で五百部買って頂いたことは、本当に励みになりました。 また、東京のある女性からの多額の寄付によって、思いの外いい家が借りられました。『カーサ・エスペランサ(希望の家)』と、名付けたこの家には、毎日、二十人くらいの女性が通って来ます。十代から四十代の、車椅子、松葉杖ありで、誰もが、貧しい上に、精神的、肉体的にも重荷を背負っている女性ばかりです。でも、皆、明るく、一生懸命仕事をしています。 大変、悲しい事もありました。一九九五年八月、グアテマラ航空機が、エルサルバドルで墜落、前年から希望の家のお世話役のスペイン人のシスターが、亡くなってしまったのです。その後、再び、スペインから、シスターマリア・ホセが来て、頑張っています。 カードは一組六枚で三百円(次回発送分から四百円)で、草木の葉を一枚ずつカラーインクをつけて、葉書大のカードに押します。一組三ドルで売り、二ドルは作った人にすぐ支払う。一ドルは材料費になります。封筒も何もかも手作りで、心を込めて、一人で、一日一組(六枚)作っていますが、同じものはありません。 カードが売れなければ「希望の家」は続けていけない。これは、本当に、命に繋がっているのです。初めて来た人には、まず、手を洗って、紙を汚さないようにすることから教えます。この仕事をすることで、(自分達の居る)エルビエホしか知らない彼女たちにとって、日本などとの関わりによる彼女達の世界も広がったと言えます。どうか、『希望の家』の女性達に思いを馳せて頂き、引き続きご支援下さいますようお願い申し上げます。 (五月十四日・東京四谷・SJハウスに於ける報告会の報告要旨・文責編集部)
『海外派遣新宣教者紹介』(敬称略)コングレガシオン・ド・ノートルダム 島崎すゑこ 〜パラグアイへ〜 コングレガシオン・ド・ノートルダム 峰敬子 〜パラグアイへ〜 カトリック信徒宣教者会 押久保暁子 〜フィリピンへ〜 『会員数』(個人・法人・賛助) 計三、〇九八『編集後記に変えて…』「目に青葉…」の、開放的な季節を迎えても、何故か、心はれぬ思いが残るのは、最近のペルー人質事件、内戦のザイール、二千人を越す死者の出た、イランの震災など、世界の各地で起こった、暗い事件のせいでしょうか。「きずな」を通じて、それらの地域で、宣教に献身しておられる方々のご無事と、神の恩寵を祈らずにはおれません。会員の方々から送られるお便りに、きずな″の連帯の強さを感じつつ、この号をお届けします。(山)
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