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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『新しいきずなの時代か』

横浜司教 濱尾文郎
 今年五月の後半、ローマでの国際カリタスの総会に出席し、そこからアフリカのザイールに向かった。その頃発生した危険な病気エボラ菌がザイールを襲っていると言うので、日本からもファックスでザイール訪問を取りやめるように催促された。ザイールの国土は、日本の約八倍で、エボラの発生しているキトウィットゥは、私が訪問しようとしている東の端のルワンダとの国境近くからは約二〇〇〇キロ離れているし、エボラ菌は接触伝染で、何の危険が無いし、皆待っているので是非来るようにと言われ、赴く決意をした。ヨーロッパからは先ずケニヤのナイロビまで飛び、そこからチャーターしたセスナ機で、約三時間飛び、目的地であるザイールのプカブに着いた。アフリカのスイスと言われる程自然の美しい緑の森と湖の辺りには、点々と白いテントが並んでいる。去年の七月から隣のルワンダからやって来た沢山の難民の仮住まいなのである。もうこの五月で凡そ一年程の仮住まいは、精神衛生上大問題となって来ているとキャンプのリーダーが説明してくれた。カリタス・ジャパンは、昨年の十月から、援助のために数人の医師、看護婦、司祭、シスターと延べ十八名送った。この五月二十三日に最後の二名の司祭と共にカリタス・ジャパンの仕事を終え、カリタス・スペインにバトン・タッチする手続きのために私が訪問したわけである。二十日の日は、ビラバの難民で、ルワンダ難民のカリタス・ジャパンへの感謝の踊りもあった。二十一日にはプカブ小教区での日曜日のごミサで一二九名の洗礼、三二三名の堅信、二十九組の結婚の秘跡が施された。約四〇〇〇人の参加で、ごミサ中、皆は歌い、リズミカルな聖歌にあわせて体を踊らせていた。実にリズミカルな美しいミサであった。
そして翌二十l一日には、ブカブ教区の大司教、キプ南部地域の知事、国際カリタス代表、国連難民高等弁務官、カリタス・プカブのスタッフなどに会い、皆からカリタス・ジャパンの数カ月の働きを感謝された。ヨーロッパからの沢山のカリタスも来ているが、特にカリタス・ジャパンへの感謝の理由は、ヨーロッパの人々は、援助の態度が上から下の者を助ける態度であるが、日本の人々は、皆と同じレベルに立ち、対等に関わり、本当に兄弟的な関わりで感動したと言う。これこそ福音的であり、日本の教会のすばらしさだとくすぐったい程の誉め言葉であった。やはり長い歴史の問で、ヨーロッパの国々のアフリカへの…関わりは、植民地をJ又配する者とされる者の関わりであり、アジアの国々のアフリカでの植民地政策は無かったし、また今年戦後五十年と言っても第二次世界大戦でもアジアの国のアフリカへの侵略の過去は無い。そのため全くアジアの人々への偏見や、先入観が無い状態であり、アジアの人々にとって、アフリカとの関わりが新しい絆となり、新しい時代に入るのではないかと思う。






『第53回役員会報告』

 「会」の第53回役員会が平成7年6月14日(水)午後6時から東京・江東区潮見の日本カトリック中央協議会会議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
  • きずな″51号について  ザ・メッセージやエコーなどに多くの方々からの声が寄せられ、内容も豊富になったとの報告があった。
  • きずな″52号について  ◆巻頭言は濱尾司教に依頼する。
     ◆国内会員からきずな″への感想などを寄せて貰うよう努力する
     ◆9月1日発行予定。原稿締切りは8月10日。
  • 一九九四年度事業・同決算報告書。一九九五年度予算審議。
  • 援助審議(別項)
  • その他  ◆帰国中の宣教者達の体験を聞く講演会を九月三十日(土)に行う予定だったが、柑月21日(土)13時半〜東京・四谷・雙葉同窓会館に変更。
     ◆次回役員会は9月13日(水)午後6時より中央協で。






『援助決定』

 (′95.6.14決定分)
地区援助要請者援助内容援助金額
メキシコ(中米中央管区)Sr弘田鎮枝(ベリス・メルセス宣教修道女会)34村の高地先住民への教会司牧活動のため、悪路に耐える車の購入費の一部30,000ドル(約1,000,000円)
インドネシアSr浜谷真佐美(聖母カテキスタ会)神学生9名の奨学金として2,000ドル(約200.000円)
ブラジルSr馬場美保(大阪聖ヨゼフ宣教修道女会)カスタニヤーウ市(ベレン大司教区)貧困家庭児対象の保育所厨房設備のため600,000円
ボリビア宮崎カリタス修道女会(オガール・ファティマ(乳・幼・児童)施設)乳・幼・児童85名・ストリート・チルドレンの食費・衣類・寄付困難のため6,640ドル(約660,000円)
計 2,460,000円






『1994年度決算報告』

入金の部
項目金額
会員寄付金11,194,103
預け金利子301,347
前年度繰越金8,257,616
合計19,753,066
支出の部
項目金額
援助金9,397,439
運営経費2,672,643
次期繰越金7,682,984
合計19,753,066