トップ会報『きずな』40号目次 > 本文
KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES






『きずな″活動10年を語る』

海外宣教者を支援する会 会長V・ローシャイタ神父
日本カトリック移住協議会 八幡とも子
 〜海外宣教者を支援する会が発足して満10年ですが、「会」の発足は、ある日突然にという印象もあるのですが、動機は?…〜
 八幡‥海外で宣教している日本人宣教者達のお便りを集めて編集した、「世界に生きる」(日本カトリック移住協議会編・一九八二年三月十五日発行)の「あとがき」で、この「会」の初代事務局長の梶川宏神父様が「日本の教会でも、継続的な支援グループが出来ればと思います」と仰言っていますが、その趣旨に賛同した数人の信徒有志が、梶川師を中心に協力して始まったのですね…。
 〜その時、八幡さんはどういう立場で参加されたのですか?〜
 八幡‥移住協の仕事をしていたので、梶川師の下で、移住協と海外宣教者を支援する会とのパイプ役のお手伝いをさせて頂きました。
 〜「会」が正式に発足したのは、確か一九八二年ですね〜
 八幡‥正式な発足は一九八二年九月一日です。この日に発起人が初めて集まりました。僅か13人でした。初代会長は服部比左治さん(外務省参与・故人)にお願いしました。
 〜その会員が今では首四十倍もの一八七二人に増えた訳ですね〜
 八幡‥先だってもカトリック新聞の編集長さんが「10年経っても会員が増え続けているのは素晴らしいことだと云っておられました。
 〜会員が増え続けている原動力・エネルギーは、何でしょう?…〜
 八幡‥先ほどお話しに出た「世界に生きる」は、四千部以上も出、今も売れています。またその中から、シスターたちだけのお便りをまとめた「小さなマザー・テレサたち」も、娘が読んで母も読むといったように読み広がり、大きな感動が次々と波打って行ったようですね。
 ローシャイタ神父‥「自分も何かしたい。でも何が出来るのか〜」と思っていた人が「世界に生きる」「小さなマザー・テレサたち」鋸を読んで感動を受け、「支援することなら、日本に居る自分でも出来る」と確信して、活動に参加して下さったのだと思います。
 八幡‥本当にそうですね、友達から友達へと伝わり、全く知らない方から送られて来るのに驚くことが多い…口神父‥きずな”が一回も休むことなく発行されて来たのも大きいですね。「信頼出来る窓口」と、理解が深まったと云えます。
 八幡‥きずな≠ヘ、最初は、会員同士のコミュニケーションをはかるという意味から、国内の会員だけに配るつもりだったのです。
 海外の宣教者からのお便りを載せたので、それを海外宣教者たちに送ったところ、一人で居ても孤独ではなく、多くの人の祈りに支えられていることを実感し、励まされると、大きな反響があった。
 〜海外の宣教者たちの「会」に対する考えは?…〜
 八幡‥海外の宣教者たちも、最初は「会」についてあまり関心がなかったと云えますね。でも今では休暇で帰って来られ、事務所を訪ねて下さり、とても感謝しておられます。
 ロ神父‥八幡さんには、宣教者たちはとても感謝しており、海外の宣教地などに行くと、必ず、八幡さんの名前が出ます。「八幡さんは元気ですか」と聞かれます。アフリカでもアマゾンでも…。
 八幡‥その時、その時の出会い、お会いしている一瞬々々を、大事にしたいと思っているだけです……。
 〜今まで、宣教地などを訪問されて印象的だったことは〜
 八幡‥南米を回った時です。毎日の生活に困っていると思われる方が、家に飼っているたった一羽の鶏をさばいて持って来て下さったのです。辞退を続けていたら神父様に云われました。「受け取らないと、どんなに遠く離れていても、裸足で貴女の所に届けるでしょう」と。本当に初めて会ったのにコンニチワ″という暖かさを実感―、強烈な印象を受けました。
 移住協議会を訪ねて来て下さった、お互いに見知らぬ同士のシスター方が「きずな″でお目にかかっています」と、たちまち10年来の仲のように親しくされているのに屡々出会いますが、とても嬉しいですね。
 ロ神父‥それから、宣教地で会った宣教者が、とても落ちこんでいる時、ちょうど届いたきずな″を読んで、「力づけられた」と云って喜んでいました。
 ロ神父‥ちょうど10年経って、きずな″の輪も大きく広がりました。あと10年、この輪を「世界のきずな」の輪に広げたいですね。






『第41回役員会報告』

 「会」の第41回役員会が、92年6月23日(火)午後6時から中央協議会々議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
  • 一九九一年決算報告(別稿)、事業報告(承認)
  • 一九九二年度予算審議(決定)
  • 「きずな」39号についてSr斉藤の巻頭言が大変心に響くとの感想が多く寄せられ、また、ある企業から寄贈された子供用絵本を各地に送り、大変喜ばれ、礼状多数との報告があった。
  • 「きずな」40号について9月1日発行予定。8月10日原稿〆切り。この号で10周年の柿拙くくりになるので、事務局として「会」と日本カトリック移住協議会のパイプ役として支えて来た八幡とも子さんに巻頭言を依頼。
  • その他=中央協議会移転に関し「きずな」の発送事務なども場所を変更せざるを得ず、二、三の案が出され検討することになった。  また、9月の「きずな」の発送は9月2日(水)、会議は9月17日(木)午後6時より行なう(ともに中央協3F会議室)で行なうことを決定した。これが中央協での最後の業務となる。






『1991年度決算報告』

 ('92・6・23承認)
 収入の部(単位・円)
項目金額
会員寄付金12,313,312
預け金利子842,665
前年度繰越金11,266,364
24,422,341

 支出の部
項目金額
援助金11,179,509
運営経費2,108,682
援助金積立2,000,000
次期繰越金9,134,150
24,422,341






『援助決定』

 ('92・6・23決定分)
地区 援助要請者 援助内容 金額 摘要
ブラジル 愛知県刈谷市永山恵神父 ブラジル二世神父の日本語研修のための入学金・授業料 40,000円 1学期分
ブラジル、ブルキナ・ファソ、グアテマラ ローシャイタ神父 荷物発送費 250,000円
フィリピン (御受難道女会)Sr松田翠 教育用コピー機1台購入費 約400,000円
カメルーン (カメルーン援助マリア修道会)Sr佐藤浩子 宣教用自動車1台購入費の一部 1,000,000円
チャド (ショファイユの幼きイエズス修道会)Sr有薗順子 宣教用ランドクルーザー1台購入費の一部 1,000,000円
パラグアイ (マリアの宣教者フランシスコ修道会)Sr捨雄智子 栄養失調乳児用粉ミルク代病人用医薬品代 300,000円
ブルキナ・ファソ (マリアの宣教者フランシスコ修道会)Sr黒田小夜子 栄養失調児センター収容児の食費代他(1年間・30人分) 500,000円 1回
タンザニア (カノッサ修道女会)Sr角たか子 宣教用車ガソリン代、聖書200冊、用紙(テスト用)、教師援助費 600,000円
ガーナ (マリアの宣教者フランシスコ修道会)Sr玉木志津 信徒使徒職養成費(3年分)宣教用車のガソリン代 約780,000円
計 約4.870,000円