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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES






『きずな発送も楽しく』

海外宣教者を支援する会 高田佳子
 ガリラヤの風薫る丘から、みことばが聞えてくるような季節となりました。
 青葉、若葉の中を、まだ、身につかない制服を着て出掛けて行く若い人達を身近かにして、今、まさに、青春のまっ只中、活気に溢れた、みずみずしい感性を、いつまでも持ち続けて、戴いた貴重な人生を、大切に送って欲しいものと思います。
 灰の水曜日の前日に、服部比左治会長が逝去され、つらい気持で四旬節を送りました。
 「きずな」7号に、ご入院の折のお気持として「私の宗教心を固める、よい機会になった。神様の善意を固く信じて、天国へ直行する心の準備は充分出来ている」と書いておられました。
 この海外宣教者を支援する会の会長として、おおらかなお人柄の中に、気骨のあるキリスト者として、私共の先頭に立って会のためにお働きになられたお姿を想い出し、心から、ご冥福を】お祈り申し上げます。
 「きずな」も公号発行の日を迎えました。一年四回の発行の日には、いつも、十二、三人の方々が手伝ってくださり、三五〇〇部の「きずな」が三つ折にされ、封筒に入れられ、糊づけをされて、五十部ずつの束にしばられ、積み上げられていきます。
 はじめの頃は二日がかりでしておりましたが、最近は一日で終るようになりました。何といっても、口八丁、手八丁の方々も交えて、賑やかに、楽しく働いております。
 昨年は、インドネシアより帰国中のシスター浜谷が、発送の日に訪ねてくださいました。現地の地図と写真をお持ちくださり、熱心にお話を聞かせてくださいました。
 何ものをも置いて、主の後について行かれた方のお話には迫力餌があり、気候、風土、習慣の異なる中に溶けこんで働かれる皆様のご苦労に感じ入りました。
 帰国された神父様、シスター方が、こうしてお寄りくださるのが、私共にとっても励みになります。
 この世のしがらみをひきずって、毎日、炊事、洗濯、掃除に明け暮れています主婦が、世界中に愛し合い、助け合ってくださる方々がいらっしゃることを感謝しております。
 この集りの中に、主の暖かなまなざしを感じて、励んで参りたいと思います。

きずなの発送は、みんなで
きずなの発送は、みんなで






『第二十四回役員会報告』

 第二十四回役員会が昭和六十三年三月二十四日(木)午後六時から、中央協議会々議室で開かれ、次の案件について審議、決定した。
議事に先立ち、一同、故服部比左治会長のご冥福を祈り、黙商を捧げた。
  • 「きずな」の発行=・「きずな」22号は、急逝された故服部会長の葬儀の様子や、会長の生前の活躍などをのせることが出来た。・新たにザ・メッセージ″の項目をつくり、海外からの短信をのせることにしたとの報告があった。・「きずな」23号の発行日は、6月l日。原稿締切は5月10日。巻頭言は高田佳子氏に依頼する。・部数は次号より四〇〇〇部とする(会員増や巡回教会へも配布し、不足がちなので)。
  • 援助要請について―援助については別稿。  援助については、創立以来、五年余を経過した今日、援助の規準を作った方がよいのではないかとの問題提起があり、この点について審議、今後方針を決めてゆくことになった。基本的な方針物としては、@偏らない(最も援助を必要とするところを知るため、送り出している修道会に問い合わせるA宣教者を直接援助するB責任者から、出来るだけ推薦を受けるCきずなで援助要請の方法、手続きなどを提示するなどを基本として、今後具体的に検討することになった。
  • 海外宣教協議会の設立案について提案のあった協議会の設立案について意見を交換したがとくに結論は出なかった。(継続審議となる)
  • 次期会長の件については、ローシャイタ神父様に一任する、






『援助内容』

 (63.3.24.決定分)
援助国援助申請者援助内容援助金額備考
チャドSr三宅陽子(ショファイユの幼きイエズス修道会)幼稚園設備、備品給食費、教材費300,0001回
インドネシアSr浜谷真佐美(聖母カテキスタ会)奨学金(14名分)420・000
フィリピンSr松田翠(御受難修道女会)新規井戸掘削費455・000
パラグアイSr山田雲江(聖霊奉侍布教修道女会)生徒の月謝(1人6,000円×20名分)120,000
パラグアイSr山田雲江(聖霊奉侍布教修道女会)参考書代80,000
アルゼンチンSr清本渓子(聖母カテキスタ会)布教用の自動車購入代の一部650・000


アジア





『無血選挙は無事の証し』

〜フィリピン〜
キリスト・イエズスの宣教会 田中靖子
 日本に思いを馳せながらベンを走らせています。
 ‥こちらに来て満七年が過ぎただけですが、日本の状態も、ずいぶん変ったことと存じます。
 こちら、アキノ政権下はじめての地方選挙も無事〜に終り、ほっと一息というところです。選挙のために殺された人が居ないということは、無事と言えるということです。
 アキノ政権も、この国のカトリック教会も同じく、ますます多難な局面を迎えるというのが、大方の予想のようです。

5時間ゆられて村のミサへ(左、Sr田中)
5時間ゆられて村のミサへ(左、Sr田中)






『洗濯物も芥子色に水には重い沈澱物〜新しい井戸を』

〜フィリピン〜
御受難修道女会 松田翠
 5時間ゆられて村のミサへ(左Sr田中)‥今日は、改めてお願いしたく‥筆を取らせて頂きました。
 一九七六年の歴史的大地震で井戸が破壊されてから、二四〇フィート(七二メートル)の井戸を新たに掘らなければなりませんでしたが、井戸水は、飲料水としてはバクテリアを含まず、無害とは云え、ここ十年余り、沈澱物(ミネラルその他)、サビなどで、いろいろ不都合が生じ、とうとう意を決して、この一月、沈澱物の湿らない、純粋な、清い井戸水を得ることにしました。沈澱物のため、巨濯物は、うす芥子色を帯び、取入れた洗濯物が置かれたテーブルの上に、食塩と見紛う‥白い沈澱物が残り、ある洗濯物は紙のようにこわばってしまいます。‥飲料水としては無害な井戸水も、硬水に加えての沈澱物のため飲みにくく、非常に重度を増した状態になりました。水は日常生活にとって基本的必要物ですので、思い切って、新しく井戸を掘ることに致しました。‥二週間ほど前から、井戸掘りに従事する人々を雇い‥やっと何とか純粋な水が待られる層に達しましたが、あと何日間かは、土砂を水から完全に除くための作業が続きます、井戸掘の手間賃は鉄管一本の値段に比例します。
 はじめの三木を落して試してみるわけです。泥水が限りなく湧き出て来ました。そのあと、一本ずつ落し、その度に水層を試します。
 ‥とうとう九本目の鉄管が落ち、持続的に水を吸い上げていくうちに、何十時間もの後、やっと‥清い水が、はじめて連続的に沸き出るところまで到り、この作業が三日間続くところまで、辿りつきました。こうして掘られている現在の井戸は鉄管九本で別メートルということになります。この水を実験室で分析‥ミネラルがなければ現在進行中の井戸掘にも終止符が打たれることになります。
 これが成功すれば、魔法貧ビンや鍋等にも沈澱物が‥こびりつくようなこともないでしょうし、洗濯物も白くなり(ましょう)。
 ‥井戸掘とそれに伴う、ささやかな洗濯小屋のための資金を‥ご献金願えれば、どんなに嬉しいことでしょう…。

ポンプで水を吸い上げ
ポンプで水を吸い上げ