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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES





『南米』






『海抜三千メートルを馬の背で』

〜ペルー〜
カロンデレットの聖ヨゼフ修道会 竹市峰子
 首都リマから北へ約三百キロ行くと、砂漠地帯に……小さな町カズマがある。この小教区は何時間もかかって、やっと辿りつけるほどの多くの過疎部落を含むので、司牧は至難の技である。ウェイヤパンパは五十以上ある過疎部落の一つである。ウェイヤパンパは「足跡の畑」という意味で、人が歩いた足あとが消えないほど、人の来ない過疎地なのである。ウェイヤパンパ部落のお祭りの日、聖母の祝日を共に祝うために部落へ行くことになった。友人の司祭からジープを借りて朝六時半にカズマを出発した。五時間後、途中にある小さな部落に到着し、そこで車を置き、持ち物を手にさげて、馬で、ウェイヤパンパまで二時間の族を続ける。海抜約三千メートルで、酸欠のために息切れ、疲労、頭痛、吐き気をともなう。馬に乗る以外、狭い、険しい道を歩く方法がないので、ゆっくり歩きつづける。馬…は、せまい道の崖ぶちを歩くので…身の縮む思いである。…過疎部落から来た農民のカテキスクが道案内をしてくれる。彼らは馬より早く、細い、険しい道をさっそうと歩いて行く。カテキスタは、それぞれの部落で、何らかの責任を持ち、働きながら、話し合いながら、部落の人々と共に歩きながら宣教する。…人々に神の福音をもたらすのは、過疎部落に住むカテキスタ…である。
(七月二十四日)





『母親たちに、洋裁、レース編教室開設』

〜ブラジル〜
聖心侍女修道会 日高和子
 …幼稚園の母親達の親睦と自立のために…今月から洋裁とレース編のコースを始めることにしました。…最初は幼絶凰の母親達を主にと考えていたのですか、結局、望む人は誰でも受け入れることにしました。十〜十五人を予想していたのですが、五十人以上もの人が申し込みました。当初は私が教えてもよいと思ったのですが、これではとても無理で…結局、私の友人の日系人の静江さんに協力を願うことにしました。…毎週土曜日の午後三時〜五時集まることにし、グループは歩み始めました。今月の第一回は、その前の最後の準備の集まりから一カ月ありましたので、みんな忘れないで来るかしらと、少し心配していましたが、三十人以上の人達が、初めて学校に行く子供よろしく、嬉しそうに、各自、物差や製図の紙、レース糸などを抱えて現われたのです。…このコースは三カ月ごとに、いろんなものを学ぶようになっていて月謝なし。その代り、各自必要な材料を準備するというのが全員の意見でした。…三回休むと修了証書が貴えないので、みんな熱心で、本当に習う気のある人達が来ているという感じがします。……私たちの教区の一部が、政府の農地改革の予定地に指定され、政府はその土地を所有者から買上げたものの、前の所有者と住民、そして、この農地改革を選挙に利用しようとする人などが入り乱れ、一時は九十人からのビストレロ(殺し屋)が送りこまれ、そこの主任司祭は一人で出歩くことが出来ませんでした。(七月十三日)






『難しい、日本人宣教』

〜ブラジル〜
ベレン在住 松本稔
 …国際協力委員会が、私どもの願いをご配慮下さいましたことは、繁ろきと…同時に、よろこびでした。…ローシャイタ神父様にお手紙を書いて本当によかったと思います。…現在、司祭・修道士・修道女、カテキスタとか…人材の不足が第一問題です。……二世達は別な、いろいろな信心に走っているようで…キリスト者としての二世が現れることを望んでいます。(四月十六日)お送り下さいました三個の小包を受取りました。…ここにはモンセニョ・―ル・ジョバニ(元宮崎と大分で宣教なさったサレジオ会の司祭)が住んでいらっしゃいます。……レオボルド神父様は病人で……大変お疲れで…殆ど、見えません。見えるようになるために手術が必要です…神父様は大変な状態の中で暮していらっしゃいます。…気候は悪く、食糧は少なく、雰囲気も悪く…最低限に必要な物もない場所で働いています…その上、辺鄙な所で……山の中に居る上に(マラバ)…危険な所です。このような中にあっても、二カ月に一度、ベレン、トメアスまで来て、日本人のために働いて…おられます。神様が私達のために長生きさせて頂くことを、神に願うのみです…神様が(日本人で)フルタイムで働く人を下さるよう…願ってやみません…今、ここで一番重要なことは、日本人に近づき、この人たちにミサ、典礼をよく教えることです。…ベレンは…難しい所です。青からの…カトリックの人たちを除いては……一カ月一回の集会で「要理を少し勉強するか、聖書を読み…ましょう」とある日、言いました…何人かの親達の返事は「娘達がデートでない日」「一カ月に一度は出来ない」などの困難さを持ちかけて来ました…娘達は一カ月に一度、デー・lrの日を犠牲にすることが出来ないのでしょうか。……彼らにとって、宗教も神も自分たちの都合の良いためにあるのであって、神が、私たちのためにあるのではないということです。現実は、楽をすることだけ考えているということです。…現在、みのりは認められません。けれども、将来には何かあるでしょう。落胆せずにがんばりましょう…。






『盛大に幼稚園十周年バザー』

〜パラグアイ〜
聖霊奉侍布教修道女会 山田雲江
 こちらは今冬に入っていますが、今年はとても暖かくて、日本の桜を思わせるようなイツペや、ラバチrの花が美しく咲きはじめ、美しい広い青空と自然の緑に映えて、とてもきれいです。…いつも送って頂いておりますきずな″を通して、イグアス移住地の幼稚園の運営資金のために行なうバザーのために、何カ所からか荷物が送られて来ております。五月一日には…和やかな中にも盛況なバザーが開かれました。(※このバザーについて)新開(パラグアイ日系ジャーナル)に投稿された記事をコピーして下さった方がありますので同封いたします。
 イグアス便り『聖霊幼稚園十周年記念バザー』
 秋晴れの素晴しい五月一日、イクアス移住地のサン・ホセ・オブレーロ教会の守護神の日の記念行事が行われました。当移住地の市街地中央公園で、オエナウ神学校々長ホアキン神父の司祭のもとに、信者二百余が参加して、星外ミサが厳粛に行われました。
 引続き聖体を奉拝し、教会まで信者の行列が続いた。教会広場には、教会付属の聖霊幼稚園十周年記念バザーに協賛した移住地内外の日系人、パラグアイ人、ブラジル人、カナダ人たちがあふれていた。当バザーは数日前から、信者はもとより、父兄、また、移住地内外の多くの人達から寄贈された品物や、アサード、うどん等の屋台も出て、野外の即売場では、野菜、卵…果物、穀物、家庭の手づくり菓子、雑誌、衣料品等が並べられ、活気に満ちていました。…山とつまれたバザーの品々は、忽ちのうちに売り切れ、楽しかった一日は盛況のうちに終りました。……(七月二十六日)






『アフリカ』






『コレラ流行、死者数千人』

〜シエラレオーネ〜
御聖体の宣教クララ修道会 根岸美智子
 …五月以来、シエラレオーネはコレラの流行に脅かされております。ヨーロッパの国々からの薬やドクターの応援で、コレラ防止に大童ですが、その勢いはまだ衰えておりません。フリータウンが一番ひどいようです。死者はもう何千人にも及んでいるそうです。殆どの村は車も入りませんので、病気になって病院に運ばれる途中で手遅れで死んでしまいます。…雨期は害虫も盛んに活動する時です。干した衣服に卵を産みつけ、それを知らずに着て、皮膚の中に虫が入り、おできに悩む人、視神経を食べる虫、エレファント・レッグといって、足が象のように…ふくれ上り、歩けなくなる病気…軽い病気では、ビールスによる眼病…が流行っています。最近…ルンサの五歳の男の子が薮を歩いていてマントヒヒに襲われ、右手を噛み取られてしまいました。…幸い命はとりとめましたが、もう少しで餌食になるところでした。…小学生の父親が…狩に出かけ、ブッシュ・カウを射止め損ね、怒った猛牛は狩人をペシャンコに踏みつけ、殺してしまいました。そのあと禿鷹が襲い、翌日、助けに行った時は、もう白骨となっていました。やはり、アフリカの自然はまだ厳しいです。母親が子供の頭のシラミ退治をしようと殺虫剤を頭にふりかけ、三人の可愛いい姉妹が数分後に死ぬという無知から来る悲劇も起りました。






『大家族で一万円の月給』

〜ザイール・キンシャサ〜
マリアの宣教者フランシスコ修道会 福永順子
 …昨年十月以来、貴会からザイール援助の件でご連絡頂いていましたが、四月七日付で…貴重なご援助金を確かに頂きました。…ドルや円が強いのに対して、ザイールの貨幣価値はありませんので、(例えば)日本の百万円はザイール人労働者百人分の月給に当ります。
 大家族に一万円の月収では、とても日本では考えられないことですが、こちらでもその日の生活に困るのは当然で、それでも月収があればいい方です。(盗まなければ生きられないというのも事実です)一方、ごく僅かの人達だけが自家用車を持って、使用人を傭って暮しているのも事実です。……問題が沢山あると思います。
 …昨年九月、梶川神父様から…お手紙を頂いて、現在まで六カ月も経っています。日本(国)内で、電話一本で…振込めて受け取れるというシステムと…ザイールの情勢とでは、システムの点でも、速度の点でも雲泥の差です。でも、これら全て受入れて生きていきますのが宣教者の立場ですので、お礼もこんなに遅くなってしまいましたこと、お許し下さいませ。