トップ会報『きずな』87号目次 > 本文
KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『祈りと共に一層の支援を宣教者に!』

―司教協議会の公認団体となって3周年―

 出席者 会長:V.ローシャイタ神父 運営委員:井上信一 樋口百合子 吉岡道子 八幡とも子 司会:諏訪なほみ
司会 この支援する会の活動が始まって22年、司教協議会の公認団体として承認され、聖母病院の敷地内に事務局を移してから間もなく3年になります。今日は会長と4名の運営委員の方々に、これまでの活動を振り返りながら、この会の活動についてお語いただきたいと思います。
会長 はじめに、会員になってご支援くださっている皆さまに、お礼を言いたいですね。本当にありがとうございます。遠い宣教地や、さまざまな困難なことが起こっている地域などからの手紙を読むと、「会」の活動が役に立って本当に喜んでくださっていることがよくわかります。
樋口 22年前、この会が梶川宏神父の呼びかけで動き出し、会として発足する前に、発起人として集まってくださった方々、梶川神父をはじめ会の発展にご尽力いたき、すでに亡くなられた方々のことがあらためて思い出されます。

出発点は『世界に生きる』

八幡 きっかけとなったのは、梶川神父が出された『世界に生きる』という本でしょうか。それ以前は、移住協議会に送られてくる各地からの手紙の中から南米からのものを選んで、『南米だより」というのを出していました。こういう現地からの生の声をまとめたものがなかったからでしょうか、大きな反響がありましたね。
樋口 支援したい、何か手伝いたいという声があちこちで上がりました。これまでも決まった所への援助や、一回だけの協力などをしている個人や団体はありましたけど、現地で働く宣教者からの要請に応え、しかも継続的に支援していくという活動はあまりなかったように思います。「会を作って物心両面から支援したいね」ということになりました。当初は何もわからず、移住協議会の方々にいろいろ教えていただきました。吉岡 援助の申請に当たっては、宣教者からの具体的な計画や援助要請に、現地での責任者に承認を得て申請していただくことにしています。
井上 振り返ってみますと、「きずな」で紹介された宣教者の皆さんがなつかしく思い出されますね。すでに帰天なさった方々のことも。Sr.海野、Sr.深堀、Sr.永瀬、田中神父、マルゴット神父、武内神父、吉田神父、そして長谷川神父...。
八幡 先日、ブラジルの日伯司教協会で出している『オリゾンテ』に、マルゴット神父様の一周忌にあたり、現地の方の追悼文が載っていましたが、どんなに慕われていらっしゃったか。現地の人々から敬愛され、身を粉にして働く宣教者の方々と、時間を超え距離を超えてっながっているということを実感することは、私たち国内にいる者にとっても大きな励みになりますよね。

現地の実情にあった援助を

司会 具体的にどんな援助活動を展開してきたのでしょうか。
樋口 当初は会員も少なく、もちろん申請も少なかったのですが、、援助活動資金を作るために絵葉書を5枚セットで作り、皆さんに買っていただいたこともありました。
吉岡 ある出版社から10冊セットの立派な絵本をたくさんいただき、世界各地へ送って大変喜ばれたこともありました。また、毛糸をたくさん寄付してくださった会社があり、教材にするのにちようどよく、南米に送りましたね。荷造りはいつも大勢の方にご協力いただき、送料は「会」で負担してました。



八幡 反対に海外で宣教者がかかわっている自立支援センターや施設で作った、レース編み、カード、手芸品などを、国内でその国のことを紹介しながら販売することもあって、お金の援助だけでないつながりもできました。
司会 日本からの公の援助で、電気や水が自由に使えないところに最新の機器が送られて、宝の持ち腐れになっているということを、時々聞きますが。
樋口 それが一番気をつけなくてはいけないことですね。現場の生の声を聞き、何が必要か、どんな仕様のものを希望か、緊急性は?将来性は?など宣教者に問い合わせて運営委員会で検討しています。
吉岡 便利な日本にいたのではわかりにくいかもしれませんが、例えば鉄道やバスなど交通機関がなく、日本の何倍もある広大な地域を移動するには、頑丈な車とガソリンが必需品です。南米やアフリカからはこんな希望も多いですね。

大きな『きずな』の役割り

井上 この活動はまず、シスターをはじめ現地の宣教者の便りを読むことが原点であると思うんですが。ですから『きずな』の果たす役割は大きいと思います。その意味からもホームページを立ち上げたことは、宣教者の声が掲載されていますし、人の目にふれる機会が多くなってよかったと思います。困難も、喜びも悲しみも、希望も感動も力もそこから与えられます。
樋口 20年余り『きずな』の編集をしてくださった八巻信生さんは、国内と海外だけでなく、海外の宣教地間の重要なコミュニケーションであるからと、お便りを選ぶのにも本当に心をくだいていましたね。
会長 ほかの人々の働きを知ることは大切ですね。自分が苦労していても、もっと大変な思いをしている人がいるのを知れば、励みになり元気が出るでしょう。
八幡 あるシスターは言ってます。看護師として働いているけれど、全く宣教活動ができない国なので何も報告できず残念。でも『きずな』からはいつも力をもらえると。
樋口 この会のロゴマークは色の違う手がしっかり握り合っていますが、これは民族だけでなく、年齢も職業も異なる人々が祈りと共に支え合うシンボルですね。



これからの活動

吉岡 今年の秋ころ、講演会をするのはいかがでしょうか。
八幡 ぜひ、したいですね。秋に一時帰国を予定している宣教者と連絡をとってみましょう。講演会でも報告会でもいいですね。次回の運営委員会で詳細を検討しましょう。
樋口 それから、運営委員会に若い世代の委員に加わっていただきたいので、推薦していただくなど努力していかなくてはと思います。
井上 ホームページを見て、会員になってくださる方も増えているのではないかと思いますが、特に若い世代が。
吉岡 会員を年代層に分けたことがないのですが、一度調べてみるといいかもしれませんね。振替用紙の通信欄に書いてくださる筆跡で、推察できる方もありますが。
八幡 一時帰国される宣教者の皆さま、ぜひ、事務局へお立寄りください。事務局は少々手狭ですが、現地のホットなお話を伺えるのを楽しみにしております。月、水、金の10:00〜16:00まで開けていますが、お電話くだされば調節可能です。
司会 お話はつきませんが、これからも支障なく援助活動ができますように、力を尽くしてまいりましょう。そして宣教者の皆さまには、神様のご保護を願いつつ、ご健康とご活躍をお祈りいたしております。そして、どんな小さな出来事でも、また短文でもかまいませんので、現地からのご報告をお待ちしております。
(文責・諏訪)






『第12回運営委員会議事録』

日時:2004年3月17日(水)18:00〜20:00
場所:四谷SJハウス会議室
議事
I.きずな86号について
 1) 今号は海外からの便り、メッセージが多く20ページになったが、カードや写真を取り入れて読みやすい紙面作りを心がけたと担当者から報告があった。
 2) 前号が8ページでさびしかっただけに、原稿もたくさんありカードなども取り入れられ、全体の感じもやわらかくてよかった。また、今後はある程度のページ数があった方がよいという感想があった。
II.きずな87号について
 1) 巻頭言については宣教者でなく一般の方にお願いする、事務局に来訪される宣教者の方にインタビューするなどの案が出された。
 2) この事務局が中央協議会の傘下から独立して間もなく3年をむかえるので、あらためて事務局の活動を座談会形式で紹介したらどうかという案が出された。
 3) 原稿の締め切りは5月10日、発行は6月1日、発送作業は6月2日(水)の予定。
III.援助審議
 昨年12月に援助を決定した案件で、Sr.大木(ボリビア)から5,000ドル全額と、Sr.今田(フィリピン)からプロジェクト縮小のため1,000ドルの辞退があった。従って2003年度の予算残額は約230万円となっている。
 1) ハイチのSr須藤昭子(クリスト・ロア宣教修道会)からサナトリウムの検査器具、機械などの2,775ドルの申請があり、政治的混乱も考慮して承認、カナダの本部経由として送金する。
 2) カメルーンのSr.佐藤浩子(援助マリア修道会)から、診療所の給水施設の悪化に対応するため飲み水用井戸の掘削費用として150万円の申請があり、原則的には承諾するが、時期的に次年度でも間に合うとのことだったので、今年度分として50万円を承認し、残額は次年度に検討することになった。
 3) チャドのSr.入江多嘉子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から、看護師育成奨学金2名分95万円の支援要請あり。奨学金は返済されるので、将来的にも活用できることもあり承認した。
 4)ブルキナ・ファソのSr.黒田小夜子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)からの申請に関し、車両購入ための積立金80万円を承認。
 5)インドネシアのSr.井上千鶴子(聖心会)から、ボランティア活動のための事務所確保に必要な資金147万円の申請があったが、活動自体がシスターあるいは修道会を中心として行なわれていないこと、建物の購入という新しいケースであることなどから、今回は見送ることになった。
 6)コンゴ(ブラザビル)のSr.高木良子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)から、現地小教区の農業開発計画実施に必要な約97万円の援助要請があったが、この計画と修道会との関わりが明確でないため見送りとなった。
IV.封筒の印刷について
 現在,「きずな」のメール便発送用の角3封筒は「会」の名称と住所だけを印刷したものを使用しているが、やはり「会」のロゴ、電話・ファックス番号、Eメールアドレスなど入れたものにしたいので、この1年分として13,000枚を印刷することになった。費用は約10万円。
V.その他
 1)運営委員の補充:運営委員を増やすことを考える時期に来ている。特に若い世代の人に入ってもらうよう人選を進めたい。
 2)講演会:今秋一時帰国する宣教者と事前に交渉できたら、講演会を開催したい。
 3)次回運営委員会は佐藤司教様に参加していただけるよう、司教会議中に開催したい。6月17日(木)の予定で同司教の都合を打診することになった。