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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『シスター方の便りから』

東京・調布教会 「ゆりの会」
 長年ボリビアで宣教活動を続けておられる倉橋神父様の感化を色濃く受けるここ調布教会では、神父様の一時帰国に合わせ、「ボリビアデイ」や「マリア会」の呼びかけで、現地で必要とされる物品を集める協力をさせていただいている。私たち調布教会「ゆりの会」も「宣教者を支援する会」の趣旨に賛同して、初期の頃から年会費を納め、参加させていただいている。「支援する会」からシスター方の活動場所の紹介を受け、クリスマスとご復活のカードをお送りしている。ご多忙のシスター方が現地の状況のお便りやスナップ写真をお送りくださる時は本当に感激である。
 シスター方は寄付金によって、現地の貧しい主婦たちのため自立センターを設立し、手芸教室を開き、日系人の土産品として販売し、主婦たちの医療費・家事・学用品などに当てているそうである。日本語教室を開いて活動し、教わった人々の中には日本人ドクターの通訳が出来るようになった人もあるという。医療活動を行い、現地の人々が病気に躍らないよう生活改善に力を入れ始めた。ある時「小さなお棺を買うお金がないの。助けてください。」と見知らぬ女性が訪ねてきた。その家を訪ねると半身不随の女性が庭の蓮(むしろ)に座り、土間の藁ふとんの上に、亡くなった赤ちゃんが置かれていた。
 洗礼は授けられていなかった。母親も他の子等も洗礼は受けているが、「主の祈り」も唱えられない。見捨てられ、気力を失った無数の人達に希望を繋げるため、シスター方は駆け回られる。四方八方から助けを求められ、シスター方は沢山の活動と祈りを続けておられる。また砂漠の中のスラム街、そこは麻薬患者グループの住む地の巡回教会へ転勤されたシスターは、貧しい人々の信仰を導き、不道徳な家庭の改善のため努力しておられると伺った。
 あるシスターは、「神様の慈しみの手の中で何とか頑張っています」と力強い。生後一ケ月弱の赤ちゃん6人を担当され、「1800グラム程の未熟児たちの顔を毎日眺め、早くまるまる太るのよ、とささやいています」とあった。
「働く母親を助ける保育園では、未婚の母が、夫に捨てられても、可愛いわが子のために生きる力を!」と添え書きのあるスナップ写真も届いた。砂とゴミ、水不足のスラム街に転勤されたシスターは、その地の人びとの暖かい心がオアシスとなり、元気付けられたそうだ。
 「ゆりの会」からはシスター方にクリスマス、ご復活のお祝いのメッセージに日本の現状を書き添えてお送りしている。「毎日の平凡な生活を、生き生きしたものにしたい。日本のニュースを読んで考えさせられます。遠い日本と、この地で祈りの輪によって平和を」と書いて下さったシスターもあった。
 一方「年と共に仕事の責任は増える反面、心身は鈍く、以前のように宣教の面で働けない」と嘆いて居られるシスターも。実際はヽ経験と包容力で、大きな貢献をしておられる筈なのに、シスターゆえに、ご自分を厳しく見つめられたのだろうか。別の地のシスターは65歳のお誕生日を皆さんから祝っていただいたと、主に感謝しておられた。「いつも、大きなカバンを背負って、駆け出すように歩くので、飛んでるシスターといわれる」と、明るいお便りであるが、シスター方の高齢化に胸打たれるお便りでもあった。
 これらシスター方のお声に勇気づけられる反面、考えさせられる私たち「ゆりの会」である。資金を送るため、以前はフリーマーケットがあると聞けば随分、遠方まで荷物を運んで出店したものである。会員は共に年齢を重ねたので、「無理せず、長続き」を合言葉に、今は毎日曜日、ミサ後に、晴雨にかかわらず聖堂前のテントの下でバザールを開く。春秋には多摩地区の教会を巡礼し、海外宣教のために祈る。聖堂前のテントは、ミサに集まった人びとの一寸した社交の場ともなり、春秋の巡礼は「ゆりの会」会員の得がたい親睦ともなっている。
 世界的に紛争の火種の絶えない現在、宣教のため海外に派遣される神父様方・シスター方は、常に命の危険にさらされていると言っても過言でない。い出向かれる方々、残る母体修道会、支援グループ、この「きずな」が更に強く結ばれるよう祈るものである。
(代表 前田欣子 文書係 小川艶子)






『第4回運営委員会議事録』

 「会」の第4回運営委員会が2002年3月12日(火)午後6暗から東京・四谷SJハウス会議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
T.「きずな」78号について
(1)78号は、クリスマスや新年メッセージを全て掲載することを前提に、編集を進めたので、かなりの量の記事を掲載することができた。
(2)事務局での小さな出来事や訪問者等の近況を伝えるために「きずなのまどべ」というコーナーを設け、八幡さんに執筆を依頼した。
(3)巻頭言、シスター影山の「Q家の話」は、非常にショッキングな内容だが、現地の生々しい報告は良かったという感想があり、同時に、編集者より、あまり強烈な表現は抑えるようにしているとの発言があった。
U.「きずな」79号について
(1)巻頭言は、「会」の発送担当の協力者、または、各教会の支援グループの代表者等に依頼する。
(2)原稿締切りは5月10日、発行6月1日、発送作業は6月5日(水)の予定。
V.援助審議(別項)
W.その他
(1)「会」は本年9月で、設立20周年を迎えるので、記念行事として、9月発行の80号を「記念特別号」とすること、インターネットのホームページを開設することになった。
(2)12月「きずな」発送時に、「会」のPRパンフレットを同封したため、法人、個人共に多数の入会者があったとの報告があった。
(3)運営委員の Sr 大垣が、横浜教区内の、「聖母の園」に転任することが報告された。
(4)博務局・八幡とも子さんが、5月に旅行(支援しているブラジル・マリン教区内の「聖フランシスコ学園幼稚舎」落成式出席のため)で3週間不在となるため、手分けして、事務局の当番をすることになった。
(5)次回運営委員会は、顧問司教の島本要大司教も出席し、6月20日(木)午後6時より、東京・四谷・SJハウスで開催予定。






『援助決定』

 (2002年3月12日分) (1)ボリビア・コチャバンパで活動している野原昭子さん(福岡教区・信徒宣教者)から「聖マルティン・デ・ボーレス(障害者受入れの家)」の理学療法士、事務員、炊事婦の1年分の給料として3600ドル(475,200円)の援助申請があり、決定。
(2)ボリビア・サンタクルス市エキベトロル教会の倉橋輝信神父(サレジオ会)から、教会の司牧活動に使用するスピーカー、マイク等の購入費として6290ドル(830,280円)の申請を検討の結果、半額の3000ドル(396,000円)の援助を決定。
(3)ボリビア・サンタクルス市の Sr 小浜静子(サレジアン・シスターズ)からBARRIO DON BOSCO自立センターの貧困学生援助資金として10万円、教材購入費として10万円、セントロ・メジコ診療所で使用の超音波診療の器具購入費として40万円、計60万円の申請があり、いずれも援助を決定した。 援助額総計:1,471,200円。