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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES






『キリストの愛を掲げて』

横浜司教 濱尾文郎

 このたび私は、教皇ヨハネ・パウロ二世より教皇庁移住・移動者司牧評議会議長に任命されました。九月下旬ごろにローマに赴任する予定です。当評議会が関わる主な仕事は、世界の各地でみられる難民、移動労働者とその家族、ロマ(かつてジプシーといわれた人々)、船員、航空業務員、旅行者、留学生、研修生など、祖国や家族から離れて働き、生活している人々の人権を守り、精神的な支援やキリスト者としての司牧をすることです。私は八九年から約七年間、アジア司教協議会連盟(FABC)の人間開発局(OHD)の責任者となり、アジアレベルでの、難民や移住者などの司牧に関わりました。この経験を通して、今後、世界レベルで、難民や移住者などに関わることができるのは、神の恵みです。新しいことに挑戦しようという意気込みと同時に、これからの未知の仕事と生活への不安もあります。
 横浜教区では、八〇年代にインドシナ半島から多くのボート・ピープルが到着しました。その中の一人の青年は、召し出しを受けて司祭に叙階されました。九〇年代になって急増したのは、フィリピンや中南米からの移動労働者たちです。九〇年、横浜カトリックセンターでAISA YOKOHAMA(横浜教区アジア社会活動研修会)が開催されました。中国、韓国、フィリピン、ペルー、ブラジルなどからの労働者の住居と就職の困難さ、労働条件や処遇の不備な点などが問題提起されて、これらの課題に対して、教会がどのように取り組んでいくかという研修が行われました。その後すぐに、横浜教区には「滞日外国人と連帯する会」が生まれて、川崎の鹿島田教会近くに事務局が設置され、フィリピン、ラテン、韓国などのデスクが設けられました。今では専従の職員数名とボランティアが活動しています。
 二十一世紀も近づいている今日、未だに世界各地の紛争が絶えず、アフリカのルワンダ、エチオピア、中央アジアや東欧からの移住者や難民が苦しんでいます。聖パウロはエフェソの信徒に言いました。
「あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族である」(二章十九)。これはまさにイエス・キリストによって実現され、示された理想的な世界の姿なのです。この地球上には、無数の民族、種族が住んでいます。皮膚の色、言語、習慣、文化も互いに違います。男女の別もあり、老若や健康の差もあります。能力の多少もあれば、階級の違いも存在しています。このような違いのために、自分の祖国や家族から離れて働き、生活しなければならない人々がいるのです。
 救い主イエス・キリストは、十字架の死と復活の救いの業により、どんな人でも差別なく、みな父である神の子どもとして認めて、目を注いでくださっています。同じ父を持つ子ども同士は、互いに兄弟姉妹であり、まさに神の家族です。一つの家族である私たちは、どこにおいても、誰とでも兄弟姉妹として関われるはずです。しかし真の兄弟姉妹とは、仲の良い関わりばかりではなく、ある場合には相手の失敗や過ちさえもー緒に担うはどの勇気が必要です。決して生易しいものではなく、これこそ人のために命さえ惜しまなかったキリストの十字架の意味を考えさせるものです。このように尊い愛を目標として希望を持ちながら、二十一世紀に向かって前進したいです。






『第六五回役員会報告』

 「会」の第六五回役員会が、一九九八年(平成十)六月一六日(火)午後六時から、東京・四谷の上智大学SJハウス会議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
  • 一九九七年度決算報告(別項)・□ー九九八年度予算審議 口「きずな」六三号について
     今号は、シスター林のアンゴラ宣教報告、シスター根岸のシエラレオネの脱出体験、シスター中村のコンゴ報告など大きな問題を取り上げ二十ページにしたことが、編集者より報告された。
  • 「きずな」六四号について  (1)巻頭言は、日本カトリック移住協議会理事長を退任、教皇庁移住・移動者司牧評議会議長としてバチカンに赴任される濱尾文郎司教に依頼、もし無理な場合は、後任の理事長にお願いする。
     (2)発行は九月一日、発送作業は九月二日(水)の予定。
  • 援助審議(別項)
  • その他  (1)「きずな」の体裁を横組みにする件で、サンプルを作って検討したが、タイトル文字の位置、シンボルマークの置き方など意見が出たので、次回、再度検討して決定することになった。
     (2)新しい役員の紹介があり、井上信一氏、井上毯子氏、長井甫氏の三名の方にお願いすることに決定、次回から出席要請。
     次回役員会は九月八日(火)午後六時・SJハウスで(予定)。






『一九九七年度会計報告』

(一九九八年三月末現在)
入金
会員寄付金一〇、八四七、四〇四(円)
預金利子三三六、六三七(円)
前年度繰越金五、〇三三、八〇二(円)
合計一六、二一七、八四二(円)

出金
援助金八、七一一、五一四(円)
運営経費二、九七五、七四四(円)
次期繰越金四、五三〇、五八五(円)
合計一六、二一七、八四二(円)






『援助決定』

 (1998年6月16日決定分)
地域援助申請者概要援助額
カメルーンSr.佐藤浩子(援助マリア修道会)ジュナン診療所用救急車(中古)購入代の一部、無医村地区巡回医療車ガソリン代等、栄養不良児「幼児栄養食」代1,092,527円
ブルキナ・ファソSr.黒田小夜子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)栄養失調児センター、遠隔地の病人・家族訪問・運搬用の車購入代の一部(3年計画)1,000,000円
パラグアイSr.山田雲江(聖霊奉侍布教修道女会)アスンシオン・国立大学附属クリニカ、保険病院、家庭訪問、一通信・交通費緊急用資金として300,000円
エジプトSr.島村哲子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)最貧困家庭(15件)援助医療費、学費、住居費等の援助として1,120,000円(8,0000ドル・◎140円として)
ボリビアSr.樫山ミュキ(宮崎カリタス修道女会)沖縄第2移住地日系コロニアの家庭訪問(とくに在宅老人)ボリビア人部落のカテキスタ、青少年宗教教育のための交通費、ガソリン代など252,000円(1,800ドル)
計 3,764,527円
(※1997年度援助活動の明細は19ページ参照)






『新旧理事長ご挨拶』

十キリスト、世の平和!
 皆さまには、ご清勝の段お慶び申し上げます。また平素より当協議会活動に、なみなみならぬご支援ご尽力を賜っておりますこと、衷心よりお礼申し上げます。
 さて、私儀この度ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世よりバチカンの移住・移動者司牧評議会議長に任命されたため、六月十九日をもって当協議会理事長職を退きました。
新任務は、当協議会の職務と密接なかかわりがあるものです。ここに感謝を込めて報告させていただきます。
 新たに重責を担う新理事長へも変わらぬご協力ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
感謝のうちに
一九九八年八月十二日
財団法人 日本カトリック移住協議会 前理事長 濱尾文郎

十キリスト、世の光
 皆様には、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、私儀
 この度新しい役職を受け、その任につきました。微力・非才の身ではありますが、皆様のご協力に支えられ、当協議会の使命遂行のために尽力させていただく所存です。なにとぞ、皆さまのご支援ご鞭揺を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 祈りのうちに
一九九八年八月十二日
財団法人 日本カトリック移住協議会 理事長 池長潤
(大阪教区大司教国際協力委員会委員長)
 (なお、移住協議会理事長は、「海外宣教者を支援する会」の名誉会長になられます。)